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紀州のドン・ファン元妻の『若草物語』的考察。結婚は経済だ

矢部万紀子 コラムニスト

 ルイザ・メイ・オルコットという名前を書評欄で見つけたのは、5月1日のことだった(「朝日新聞」朝刊)。書名でなく、そちらに目がいったのは『若草物語』フリークだから。オルコットといえば『若草物語』、でも出版されたのは1868年。なのに、彼女の新刊?

ルイザ・メイ・オルコット『仮面の陰に あるいは女の力』(大串尚代訳、幻戯書房)拡大ルイザ・メイ・オルコット『仮面の陰に あるいは女の力』(大串尚代訳、幻戯書房)
 『仮面の陰に あるいは女の力』(大串尚代訳、幻戯書房)という本だった。書評家・大矢博子さんの評を読むと、『若草物語』の2年前、A・M・バーナード名義で発表された「煽情小説」だという。ふむふむこれは、ジョーがベア先生と出会って書くのをやめた系の小説ね、と納得。ちなみにジョーは『若草物語』4姉妹のうちオルコットが投影された次女、ベア先生は続編に登場するジョーの結婚相手、なのだが。

 続きを読んで驚いた。ある女性がイギリス貴族の家に家庭教師として雇われるが、彼女には「身分の高い男性」の妻になるという狙いがあり、そのために年齢も過去も偽り、ターゲットを次々籠絡していく──そんな話だという。これって、「紀州のドン・ファン」と元妻の話??

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筆者

矢部万紀子

矢部万紀子(やべ・まきこ) コラムニスト

1961年生まれ。83年、朝日新聞社に入社。宇都宮支局、学芸部を経て、週刊誌「アエラ」の創刊メンバーに。その後、経済部、「週刊朝日」などで記者をし、「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理、書籍編集部長などをつとめる。「週刊朝日」時代に担当したコラムが松本人志著『遺書』『松本』となり、ミリオンセラーになる。2011年4月、いきいき株式会社(現「株式会社ハルメク」)に入社、同年6月から2017年7月まで、50代からの女性のための月刊生活情報誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長をつとめた後、退社、フリーランスに。著書に『美智子さまという奇跡』(幻冬舎新書)、『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』(ちくま新書)。最新刊に『雅子さまの笑顔――生きづらさを超えて』(幻冬舎新書)

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