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紀州のドン・ファン元妻の『若草物語』的考察。結婚は経済だ

矢部万紀子 コラムニスト

白と黒の両サイドから女性を抑圧する社会を挟み撃ち

 書評が掲載される3日前(4月28日)、資産家男性(当時77)の死亡事件で元妻(25)が和歌山県警に逮捕されていた。彼の死から約3年、東京・品川の高層マンションでの早朝の逮捕劇は報道各社に把握されていたようで、NHKも朝日新聞もすぐに「紀州のドン・ファン」と呼ばれた男の元妻が殺人などの容疑で逮捕された、と実名で報じた。

「紀州のドン・ファン」の事件で送検される元妻=2021年4月29日、和歌山県田辺市拡大「紀州のドン・ファン」事件で送検される元妻=2021年4月29日、和歌山県田辺市

 元妻が年齢を偽ったとは思わないが、それにしても似ている。若草物語フリークとしては、読まずにはいられない。というわけで、その日のうちに購入、翌日に読了した。ジーンというヒロインの手練手管に次々と落とされていく貴族の一家。おばかさんなの?と思わないでもないのだが、補って余りあるスリリングな展開に一気読みした。

 感じたことは二つ。ジーンはジョーの黒バージョンだということ、そしてしみじみ「結婚とは経済だ」ということ。

 『若草物語』と出合った小学生の時から、

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筆者

矢部万紀子

矢部万紀子(やべ・まきこ) コラムニスト

1961年生まれ。83年、朝日新聞社に入社。宇都宮支局、学芸部を経て、週刊誌「アエラ」の創刊メンバーに。その後、経済部、「週刊朝日」などで記者をし、「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理、書籍編集部長などをつとめる。「週刊朝日」時代に担当したコラムが松本人志著『遺書』『松本』となり、ミリオンセラーになる。2011年4月、いきいき株式会社(現「株式会社ハルメク」)に入社、同年6月から2017年7月まで、50代からの女性のための月刊生活情報誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長をつとめた後、退社、フリーランスに。著書に『美智子さまという奇跡』(幻冬舎新書)、『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』(ちくま新書)。最新刊に『雅子さまの笑顔――生きづらさを超えて』(幻冬舎新書)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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