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伊礼彼方インタビュー(下) 、新作ミュージカル『PARTY』出演

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真名子陽子 ライター、エディター


伊礼彼方インタビュー(上)

「一回で終わりたいっ!」という気迫がすごかった

――今回、リーディングワークショップというのがとても新鮮でした。

 あの映像は、本番ではありますが、本来はお客さまにはお見せしない、普段僕らが稽古場でやってる読み合わせの様子なんです。それこそ読み合わせは2回だけでしたので、役を創り上げる前の姿を晒してるんですよね。映像になるからみんな必死でしたし、すごい集中力で臨みました。いつもの本読みはもっとラフな感じですけど、やっぱり仕事としてお受けしていますし、映像で見せるということなのでみんながんばりました。

拡大伊礼彼方=宮川舞子 撮影

――収録はいかがでしたか?一発勝負みたいなところがあったのかなと。

 みんなの「一回で終わりたいっ!」という気迫はものすごく感じましたね。時間も限られていましたし、どうしてもダメなら2回目もあるけど…という中で撮りました。

――何回もできない気がします。

 そうですね、集中力が必要ということもあるんだけど、楽しんでおもしろいと感じながらやったことを同じようにはできないんですよね。1回目と同じようにはできないから、2回目は違うアプローチをしなければならなくなる。だから、あの現場は一発で撮るんだという瞬発力のいる現場でした。実際、細かいところをチェックしたら、音がずれている箇所とかあると思います。みんな終わった瞬間に「あ~撮りなおしたい…」と言ってましたから。僕もありましたよ、一瞬だけど音を抜いた場面がありました。個々にそういうことがあると思いますが、ただ今回はそういうことも含めてOKな企画なんです。普段着で良かったですし、多少の音のズレも音楽監督は許してくれました。それもすべて込みでの演出でしたから、すごくおもしろかったです。

プロを使ってやることに意味がある

――先ほどもおっしゃったように、役づくりの前の段階を見られてたのがとても新鮮で、舞台になったらどうなるんだろうと楽しみになりました。

 ブローウェイなどでは、昼夜間の公演の間にこういったリーディングワークショップが開催されていて、そこに一流の役者が出ているそうなんです。ここで大事なのがプロの役者がやるということなんです。なぜかと言うと、最初からその作品のクオリティが底上げされるんですよね。アマチュアの人を集めてやると、まだレパートリーの引き出しが少ないから、その人に役がハマらなかったら、役者を変えなければならなくなる。でも場数を経験してるプロがやると役のハマりが悪くても、色々なパターンが想像できる。表現力や存在感でカバーできる人がキャストとして入ると、作品の完成が早いんですよ。だから、こういうプロジェクトはプロを使ってやることに意味があるんですよね。最初からクオリティの高い作品になるから。

――なるほど。

 ブロードウェイではこれが当たり前のよう行われているそうです。ブロードウェイでレベルの高い作品がたくさんできあがる理由は、こういうところにも秘密があるんだと思います。

――作品にお客さまが付くんですよね。

 こういったリーディングの段階からお客さまに見てもらえれば、作品への愛着も湧くし作品が成長していきますよね。『スリル・ミー』はそれに当てはまるんじゃないかな。10年前の初演からお客さまが作品の成長を見ていますよね。誰が出演していようが観たいと思う作品になっていると思います。

拡大伊礼彼方=宮川舞子 撮影

――そういった意味でも、『PARTY』という作品が今後どうなっていくのか楽しみです。

 楽しみですよね! 同じメンバーで舞台に上がれたらすごく素敵なことだと思います。また、今回出させていただいたことによって、『PARTY』のオリジナルメンバーになれました。今後、舞台化された時に、また声をかけていただけるかもというチャンスが訪れます。そういうハングリー精神を持たせてくれました。元々野心は持っていますけど、中には仕事はもらうものという役者もいるんです、マネージャーに仕事をとってきてもらうのが当たり前という感覚。でも僕はそういう感覚ではやっていないですし、本番は毎日がオーディションだと思って、常に爪痕を残そうと思いながらやっています。そういう意味では爪痕を残せるチャンスを今回与えられたわけです。この時点で役と違うと思ったら変えられるだろうしね。でも聞いたところによると、プロデューサーの好きな人を集めてるんですって(笑)。そこに選ばれたのがすごくうれしいですよね。

◆公演情報◆
ミュージカル 『PARTY』
・視聴方法:
SwipeVideo(マルチアングルver.)
YouTube(カット割りver.)
公式ホームページ
 
[スタッフ]
作曲:ジェイソン・ハウランド
脚本・歌詞:横山清崇
演出:元吉庸泰
音楽監督:竹内聡
[出演]
鈴木瑛美子、加藤和樹、伊礼彼方、石川禅
樋口麻美、廣瀬友祐、May’n、小野田龍之介
髙橋颯、東山光明、五十嵐可絵、山﨑玲奈
 
〈伊礼彼方プロフィル〉
 1982年、沖縄出身の父とチリ出身の母との間に生まれ、幼少期をアルゼンチンで過ごす。中学生の頃より音楽活動を始め、2006年『テニスの王子様』で舞台デビュー。2008年『エリザベート』ルドルフ役に抜擢され、以降、ジャンルを問わず多数のミュージカル、ストレートプレイ等で多彩な役柄を演じ幅広く活躍中。主な出演作に、舞台『レ・ミゼラブル』『ジャージー・ボーイズ』など。2019年には藤井隆プロデュースで初のミュージカル・カバー・アルバム「Elegante」をリリース。今春、下北沢 小劇場楽園にて『ダム・ウェイター』を自主企画。2021年5月より『レ・ミゼラブル』(ジャベール役)帝国劇場他出演予定。
オフィシャルサイト
公式twitter

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

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