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アミメニシキヘビ脱走事件から学んだ3つのこと

案外かわいかったヘビちゃんの顔と温かかった社会の反応にほっとする

野菜さらだ コラムニスト/言語聴覚士

 その第一報は、首都圏ではコロナ禍でゴールデンウィークも自粛を余儀なくされていた5月6日に飛び込んできた。「横浜でアミメニシキヘビ、逃げる」。

 毎日毎日、コロナ関連のニュース漬けだった人々(含む、私)は、全然違うカテゴリーのニュースに「え?」となり、次に「ヘビ?」となり、ヘビの体長が3.5メートルと知ったら、「そりゃ、怖い!」となった。近隣の人はちょっとした草むらに「ヘビがいるのではないか」と外に出るのも怖かったろうと思う(私が近所だったら、正直怖い)。

 第一報の翌日? その翌日? くらいまでは「見つかったのかな……」とか脱走事件の続報を待っていたが、次々とニュースが飛び込む日常では、このヘビのニュースは世間からおそらくすーっと忘れられていった(私も忘れた)。

 しかし、その間も、“捜索”は続いていたようだ。

 飼い主さんはヘビが見つかるまではかなり大変な日々を送っていたことも知った(「アミメニシキヘビ飼い主男性の長かった17日間と取材対応でみせた「反省」「ヘビ愛」」週刊女性PRIME)

現場では警察犬も捜索に加わった=2021年5月7日午前10時42分、横浜市戸塚区名瀬町拡大ヘビの捜索現場では警察犬も加わった=2021年5月7日、横浜市戸塚区名瀬町

 そして、16日後の5月22日、「巨大ヘビ、アパートの屋根裏で見つかる!」のニュースが速報で飛び込んだ。

 おそらく、この件に関しては、全国民が素直に「よかったー」と思ったであろう。私も思わず、妹と弟に「ヘビ、見つかったねー」とメールしたほどである。期せずして、ヘビ年の妹からは、「今、コロナ以外のニュースにみんな飢えてるから、なんかこのヘビのニュース、気になっちゃうんだよね。で、この子(ヘビ)つかまってるのみたら、案外かわいい顔してたね(自宅の屋根裏にちんまりいたところもかわいい)。飼い主さんのところに戻れるのかな」と返事が来た。

 結局このヘビちゃんはどうなるのかな? と思って調べたら、飼い主さんは「しかるべき機関に譲渡する」というコメントを出していた。

 関西に住む弟からは、「全国放送のトップで伝えていた、テレ朝」と返事が来た。首都圏だけではなく、全国ニュース扱いだったんだと、人々の関心の高さ(?)が伺い知れた。


筆者

野菜さらだ

野菜さらだ(やさいさらだ) コラムニスト/言語聴覚士

本名・三田地真実(星槎大学大学院教育学研究科教授) 教員、言語聴覚士として勤務後、渡米。米国オレゴン大学教育学部博士課程修了(Ph.D.)。専門は応用行動分析学・ファシリテーション論。2016年からオンライン会議システムを使ったワークショップや授業を精力的に行っている。著書に『保護者と先生のための応用行動分析入門ハンドブック』など。教育雑誌連載と連動した 「教職いろはがるた」の動画配信中!

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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