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 前回に引き続き、話題のストップモーション新作を紹介したい。

クレイの温もりが感じられる意欲作『オイラはビル群』

 パペット、クレイ(粘土)、デジタル作画と多彩な作風で知られる秦俊子監督は、クレイモデルによる6分20秒のストップモーション短編『オイラはビル群』(2021年)を完成させた。企画・プロデュースは斎藤⼯氏、原案・脚本は片岡礼子氏。斎藤氏とのコンビは『映画の妖精 フィルとムー』(2017年)に続き2作目。

『オイラはビル群』=提供・秦俊子監督拡大『オイラはビル群』=提供・秦俊子監督
『オイラはビル群』=提供・秦俊子監督拡大『オイラはビル群』=提供・秦俊子監督

 巨大ビルの主人公と周囲を囲む建設中のビル群、その外には森と草木が広がり、空には赤い太陽が。環境とテクノロジーの共存を端的に優しく描いた作品。人工物のビルも黒子のような人間も、共に指紋の残るクレイモデルで作られており、その手作り感が味わい深い。3月31日からWOWOWオンデマンドで配信が開始されている。以下は本作について秦監督から寄せられたコメントである。

 「『オイラはビル群』は片岡礼子さんが長年あたためてきた物語で、それを形にすることが今回の制作の目的でした。斎藤工さんにお声がけいただき、作品制作に携わることができて光栄でした。これまでの私の作風とはまた少し違う新しい表現にも挑戦できたので、ぜひ多くのかたに作品を楽しんでいただけると嬉しいです」

『オイラはビル群』=提供・秦俊子監督拡大『オイラはビル群』=提供・秦俊子監督
『オイラはビル群』=提供・秦俊子監督拡大『オイラはビル群』=提供・秦俊子監督

「angle」秦俊子監督公式サイト
WOWOWオンデマンド『オイラはビル群』


筆者

叶精二

叶精二(かのう・せいじ) 映像研究家、亜細亜大学・大正大学・女子美術大学・東京造形大学・東京工学院講師

映像研究家。亜細亜大学・大正大学・女子美術大学・東京造形大学・東京工学院講師。高畑勲・宮崎駿作品研究所代表。著書に『宮崎駿全書』(フィルムアート社)、「『アナと雪の女王』の光と影」(七つ森書館)、『日本のアニメーションを築いた人々 新版』(復刊ドットコム)、編著に『ルパン三世 PART1 絵コンテ集 「TV 1st series」秘蔵資料コレクション』(双葉社)、共著に『王と鳥 スタジオジブリの原点』(大月書店)、『マンガで探検! アニメーションのひみつ』(全3巻、大月書店)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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