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『内側から見た「AI大国」中国』は、米中激突の深層に鋭く迫る好著

駒井 稔 編集者

アメリカに在住、中国人の心情を英語で描いた小説

イーユン・リー拡大イーユン・リー
 最後に中国の女性作家が書いた短編集をご紹介したいと思います。『黄金の少年、エメラルドの少女』(イーユン・リー、篠森ゆりこ訳、河出文庫)がそれです。

 イーユン・リーは、1972年に北京で生まれた中国人です。アメリカの大学院で免疫学を学ぶために渡米。その後、母語ではなく、なんと英語で小説を書き数々の賞を受賞しています。「中国のチェーホフ」とも呼ばれていると訳者の解説にあります。代理母問題を扱った短編など、現代中国のさまざまな社会的問題を描きながら、人々の心のありようがひしひしと伝わってくる内容です。

 政治と経済の話はもちろん重要ですが、米中の角逐が言われるなか、アメリカに住んで英語で現代の中国人の心情を描く作家の小説を読むことは貴重な体験になると思います。ぜひ、一読を。

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筆者

駒井 稔

駒井 稔(こまい・みのる) 編集者

1979年、光文社入社。1981年、「週刊宝石」創刊に参加。1997年に翻訳編集部に異動になり、書籍編集に携わる。2004年に編集長。2年の準備期間を経て2006年9月に古典新訳文庫を創刊。「いま、息をしている言葉で」をキャッチフレーズに古典の新訳を刊行開始。10年にわたり編集長を務めた。筋金入りの酔っ払いだったが、只今禁酒中。1956年、横浜生まれ。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです