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大坂なおみ選手に記者会見を嫌がられて当然、マスコミ・TVムラの傲慢さ

“プロ”になるべきはむしろマスメディアのほうだ

勝部元気 コラムニスト・社会起業家

嫌がる新入社員を脅すハラスメントおじさんと同じ

 このような発言がマスメディアで繰り返されるばかりではなく、スポーツニュース等で肯定的に再拡散され、結果的にマスメディア側を擁護する報道が多くを占めています。こうした現状を見ると、大坂選手が記者会見を嫌がるのは、むしろ当然のことだろうという思いが強くなります。

 試合をきちんと見ていない、その競技に詳しくないジャーナリストに質問される、敗者の傷に塩を塗るような無慈悲な質問をされる、同じような質問が繰り返される、試合とは関係のないプライベートな質問が頻繁に飛ばされる等、アスリートの記者会見には様々な改善すべき問題があるはずです。

 それなのに、「自分たちマスメディアが改善しなければならない問題点はどこだろうか」と自省せず、「タフな質問」といったような言葉で自分たち側の問題を矮小化・透明化し、会見を拒否するほうに問題があるかのように捉えているわけです。

 上司やクライアントがハラスメントをしてきたのに、それに耐えかねて「やめてください!」と言うと、「おいおい、それくらいのことで何怒っているんだ。まだまだお前も甘ちゃんだな。これくらいうまくかわせるようにならないと、社会人としてやっていけないぞ」と脅すハラスメントおじさんと同じようなものでしょう。

2019年8月、全米オープンでの会見に出席した大坂なおみ lev radin/Shutterstock.com拡大2019年8月、全米オープンでの会見に出席した大坂なおみ lev radin/Shutterstock.com

「稼いでいるんだから我慢すべき」というのは加害の正当化

 また、会社のハラスメント体質に順応してしまった先輩社員のように、記者会見における問題点は認識していながらも、「それでもメリットがあるのだから、選手を続けたいなら受け入れるべき」という態度を示す著名人も数多くいました。

 たとえば、歌手で俳優の黒沢年雄氏は、「大坂なおみ選手は…年間60億円を稼ぐ有名人! スターの宿命である…」とブログで発信していました。キャスターの小倉智昭氏も、6月1日放送の「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」(ニッポン放送)で、「プロテニスプレーヤーとしてお金を稼いでいる立場から考えると、ある程度は妥協しなければいけない部分もある」と発言しています(2021年6月2日、ニッポン放送 NEWS ONLINE)。

 ですが、稼いでいる選手だからといって、

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筆者

勝部元気

勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家

1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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