「男性の数はそのまま」にするという意図

【表1 オリ・パラ組織委員会理事数と女性比率】 (※1)ここには、R(令和)3年2月に就任した橋本会長が含まれる。それまでは女性は「6名」で、女性比率18.8% (※2)定款で定められた定員を最大にして対応した場合
定款の変更前と後、及びもし定款を変更しない場合に女性比率を40%超えにするにはどうすれば良かったかの仮想的数値を入れたものが表1だ。
このようにして「全体を俯瞰して」改めて見てみると、どうであろう。いろいろな思惑が透けて見えてくる。おそらく、変更前の「女性/全体の比率」は、7/33名=21.2%が、変更後19/45名=42.2%になったのだろうと思われる。表1をみると、「男性理事は、26名のまま全く変動なし」ということがよくわかる。

【表2 評議員と副会長の女性比率】
女性比率が4割を超えて、世間の風当たりはかわせたかのように見える。しかし、矢面に立った理事職以外の評議員(7名以内)や副会長の女性比率を見てみると(表2)、6月現在、4割どころか、
2割にも満たない。しかも副会長は2月までは、男性が6名、女性は「0名」で、3月に女性が1名追加で任命されていた。
橋本聖子さん会長選考プロセスをめぐる5つの疑問
こういう数値を眺めていると、私の頭の中では「さらだの妄想劇場」が始まる。
「理事の女性比率が少ないということが問題になってます」
「えーっと、どれどれ、今、理事は33人、男性は26人のままで、女性比率を40%超えにするには何人追加すればいいかな……」
「12名追加すれば、40%を超えます」
「でも、定款で35名が定員になってますが……」
ごくごく普通に考えれば、35名の定員の「まま」女性の比率が上がったときに本当の意味で「女性比率が上がった」と言えるのではないだろうか。表1の一番右は定員35名で女性比率4割の場合の最低人数を示してある。これによれば、女性を合計14名にするためには、少なくとも5名の男性理事に「退散」いただかなければならない。そして「さらだの妄想劇場パート2」になる。
「定員35名、そのままでは……」
「5名、男性理事の誰かに退任してもらわないと女性比率4割にならないね」
「その5名、どうやって選んで、退任をお願いするんですか」
・・・
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