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お父さんの「お茶当番」はなぜ少ない?

ジェンダー考。社会は少しずつ、確実に変わっている

天野千尋 映画監督

少年野球の保護者

 小学校1年生になった息子が、地域の少年野球チームに入った。当然、保護者である私たちが色々とコミットすることになる。

 初日の練習に同行すると、同じく新入りメンバーの保護者が5人ほど来ていた。その全員が母親で、夫婦での参加は我が家だけだった。お茶当番やお世話係の方々もみんなお母さん。一方、監督やコーチは全員男性だった。

 野球というスポーツの歴史を考えれば、今も指導者が男性メインになるのは自然かもしれない。けれど、こうした少年チームのお当番にしても、中学高校の運動部のマネージャーにしても、「お世話役=女性」という図式はまだまだ色濃い。

 それはもちろん、家庭における「家事、育児、介護=女性」とも通じていて、「人のケアをするのは女性」という古くからのジェンダーバイアスがしぶとく居座り続けている。保育士、看護師、介護職員など身体的サポートをする職種において、男性の割合がまだまだ圧倒的に少ないことも同様だ。

 以前寄稿した<埋まらないジェンダーギャップ「慣性の法則」>で触れた通り、私たちの文化や社会通念が変わるには、ある程度の時間がかかるのだろう。ほんの少し前の時代には、「女は母性本能があるから人の世話が得意だ」とか、「女は生理のために情緒が乱れがちだから指導的立場には不向きだ」といったフィクションがまかり通っていた。それは一朝一夕に変わるものではない。

 けれど、過去の「当たり前」は、目に見えないくらいゆっくりと、しかし着実に、変化してきている。

拡大 Vikky Mir/shutterstock.com

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筆者

天野千尋

天野千尋(あまの・ちひろ) 映画監督

1982年生まれ。約5年間の会社勤務の後、2009年に映画制作を開始。ぴあフィルムフェスティバルを始め、多数の映画祭に入選・入賞。主な作品に、短編『フィガロの告白』『ガマゴリ・ネバーアイランド』、長編『どうしても触れたくない』、アニメ『紙兎ロペ』の脚本など。19年、『ミセス・ノイズィ』が東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門に選出された。日本映画批評家大賞脚本賞受賞。自ら執筆した小説版『ミセス・ノイズィ』(実業之日本社文庫)も刊行。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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