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美弥るりかインタビュー(上) 音楽劇『GREAT PRETENDER』に出演

男性役、キャリアに頼らず一から始める気持ちで

中本千晶 演劇ジャーナリスト


 音楽劇『GREAT PRETENDER グレートプリテンダー』に出演予定の美弥るりかに話を聞いた。

 アニメ『GREAT PRETENDER』を舞台化した作品で、今回の物語はCASE1「ロサンゼルス・コネクション」をベースに展開する。美弥が演じるのは、宮田俊哉演じる主人公・枝村真人(通称:エダマメ)をコンゲームの世界に導くフランス人の信用詐欺師(コンフィデンスマン)、ローラン・ティエリーだ。演出を担当するのは河原雅彦。美弥にとっては2月の『MIYA COLLECTION』に続く縁となる。

 原作が面白くて「全てのエピソードを一気に見てしまった」という美弥。注目のアニメを舞台化した本作品で、再び男性役に挑戦しようと決意した、その背景にある思いについても語ってくれた。2019年の退団後、幅広い仕事にチャレンジし、ファンとの新たなコミュニケーションを模索してきた美弥が、コロナ禍の今、感じることについても聞いた。

 詐欺師ローランとは真逆で「嘘がつけない性格」という美弥らしく、自分の心のうちを深く掘り下げて率直に話してくれたのが印象的だった。

ギャップある人を演じるのは楽しい

拡大美弥るりか=岩田えり 撮影〈ヘアメイク/AYA・スタイリスト/古田千晶[ジャケット、パンツ(クチュール ド アダム/ホワイトオフィス 03-5545-5164)、ピアス右耳、リング人差し指、リング薬指、リング小指(全てジジ/ホワイトオフィス)、左耳上マラカイトイヤカフ、左耳下オーバルイヤカフ(プライマル support@prmal.com)、他スタイリスト私物]

――本作のご出演が決まった時はどう思いましたか?

 漫画やアニメを舞台化した作品にはいつか挑戦してみたかったので、 お話が来た時はとても嬉しかったです。男性役ということには少しびっくりもしましたが、今までのキャリアに頼らず一から始める気持ちで取り組んだら面白そうだと思いました。

――漫画やアニメを原作とした作品に挑戦してみたかったのはどうして?

 宝塚時代に『メイちゃんの執事』(2011年)という作品に出演したことがあって、そのとき私は理人の弟である剣人の役を演じたのですが、原作ファンの方々にも楽しんでいただきたいという思いで作品をつくっていったのがすごく楽しかったんですよね。

 今回の作品も、初めて見たとき私自身も最後まで騙されっぱなしですっかり引き込まれてしまい、全てのエピソードを一気に見てしまったほどでした。私が演じるローランも、一見クールなイメージの中にすごく人間らしい部分もある人物で、そういうギャップがある人を演じるのは楽しいだろうと思いました。

拡大美弥るりか=岩田えり 撮影

――かっこよさや美しさも求められる役どころですよね。

彼のスマートさや隙のなさなどを表現するときは、宝塚時代に男役として学んだことが使えそうです。逆に今までと違うのは、リアルな男性の中で私だけが男役を演じるということ。でも、その不思議感を作品の中でのローランの異色感とうまくマッチさせて、面白い化学反応を起こせたらと思っています。

河原さんだから、再び男役に挑戦してみようと

拡大美弥るりか=岩田えり 撮影

――演出が『MIYA COLLECTION』に続いて河原雅彦さんですが、河原さんから美弥さんに対して「こういうことを期待している」といったお話はあったのですか?

 河原さんの私に対する第一声は「どうやって演じるの?」でした。私は稽古をしていく中で、皆さんとバランスが取れる男性像を河原さんと一緒に作っていくスタイルかな?と思っていたのですが、その言葉をきいて、私に任されている部分が大きいなと思いました。宝塚を卒業して今までとは違う出会いや経験をして、自分の中でも少なからず変化があるのに、そこで2年前に後退するようなことは絶対にしたくない。このオファーを受けるときから、そんな思いが強くて、だからこそ「新たな気持ちで、宝塚時代とは違う男性像を狙っていきたい」というお話をしたんですね。

 それは本当に微妙な違いかもしれないのですが私にとっては大きな差で、とても狭いストライクゾーンなのかも知れないですが、そこを狙っていきたい。そうしたら「僕もそう思う」とおっしゃってくださったんです。河原さんも同じ思いでいてくださったのが嬉しかったですね。

拡大美弥るりか=岩田えり 撮影

――再び男性役を演じることに対して、迷いはなかったのですか?

 多少迷いはありました。ですが、作品を見て「演じてみたい」と思えましたし、演出が河原さんということも大きかったです。 前回ご一緒した時に、その感性やセンスが純粋にとても好きだったので、河原さんの演出だったら、もう一度男性を演じる意味があるのではないかと思えたんです。本当の男性の中で自分が演じるということも、私にとってはこれまでにない新鮮な環境ということで、興味をそそるポイントだったのかもしれません。

◆公演情報◆
音楽劇『GREAT PRETENDER グレートプリテンダー』
東京:7月4日(日)~7月25日(日) 東京建物 Brillia HALL
大阪:8月4日(水)~8月8日(日) オリックス劇場
公式ホームページ
[スタッフ]
監修:古沢良太
脚本:斎藤栄作
演出:河原雅彦
[出演]
宮田俊哉
美弥るりか 加藤諒 山本千尋 仙名彩世
福本伸一 平田敦子 三上市朗 大谷亮介 ほか
 
【原作情報】
「GREAT PRETENDER」
Netflix にて見放題独占配信中
FOD ほかでも配信中
アニメ公式サイト 
 
〈美弥るりかプロフィル〉
 2003年に宝塚歌劇団に入団。男役として星組に配属後、2012年に月組へ組替えをし、2014年『 THE KINGDOM 』でダブル主演。2017年『 瑠璃色の刻 』、2019年『 アンナ・カレーニナ 』で主演を務め、2019年6月退団。唯一無二の存在感で、男役だけでなく幅広い役柄を好演。宝塚退団後、舞浜アンフィシアターでの「ソロライブ」から活動をスタート。独自の個性を生かし、舞台だけでなくファッション・ビューティーなど様々なフィールドで活動の幅を広げている。
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筆者

中本千晶

中本千晶(なかもと・ちあき) 演劇ジャーナリスト

山口県出身。東京大学法学部卒業後、株式会社リクルート勤務を経て独立。ミュージカル・2.5次元から古典芸能まで広く目を向け、舞台芸術の「今」をウォッチ。とくに宝塚歌劇に深い関心を寄せ、独自の視点で分析し続けている。主著に『タカラヅカの解剖図館』(エクスナレッジ )、『なぜ宝塚歌劇の男役はカッコイイのか』『宝塚歌劇に誘(いざな)う7つの扉』(東京堂出版)、『鉄道会社がつくった「タカラヅカ」という奇跡』(ポプラ新書)など。早稲田大学非常勤講師。

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