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14歳と50代の性交発言問題。立民は「ジェンダーでバグる」から卒業を

本多平直発言を軽く済ませる党に女性議員は増えない

勝部元気 コラムニスト・社会起業家

 立憲民主党の本多平直衆院議員(56歳、比例北海道ブロック)が、2021年5月10日、性交同意年齢の引き上げについて議論をする党法務部会のワーキングチーム(WT)の会合で、「中学生と成人の間にも真剣な恋愛があり、被害と言えない場合もある」「例えば50歳近くの自分が14歳の子と性交したら、たとえ同意があっても捕まることになる。それはおかしい」と発言したことが明らかになり、大きな問題になっています。

 ここでは、本多氏はもちろん、この発言をめぐって性的搾取やその被害実態に対する認識不足を露呈させた要因と思われる、男性中心の立憲民主の党内カルチャー=組織文化について考えたいと思います。

本多発言は未成年への加害構造を死守しようとするものだ

「50歳近くの自分が14歳の子と性交したら捕まる」などと発言した立憲民主党の本多平直議員「自分が14歳の子と性交したら同意があっても捕まる」などと発言した立憲民主党の本多平直議員

 まず、報道によると、講師として会合に招かれ、性交同意年齢の引き上げを主張していた島岡まな教授(大阪大学大学院法学研究科/刑法)は、本多氏は高圧的で、怒鳴られたと感じたほどであったようです。

 「先進諸外国では、社会人と中学生のように、年齢差も力関係の差もあるところに、対等で真摯な恋愛が存在しないというのは、とっくの昔から常識。(中学生からすれば)疑似恋愛かそう思わされているだけで、性的搾取だ」と島岡氏が指摘するように(日テレNEWS24)、そこに議論の余地はありません。現職の国会議員がその“常識”に欠け、性的搾取を堂々と正当化することは、あってはならないことです。

 成人(主に男性)が未成年(主に女性)を性的搾取したという事件は、連日のようにニュースになっています。そうして苦しむ未成年が非常に多い中、一刻も早く、より強く未成年を保護する法体系を整備しなければならないのに、それに抵抗して加害構造を死守しようとする本多氏の言動は、非常に罪深いと言えます。

なぜ発言した瞬間に批判の大合唱とならなかったのか

 ですが、これは本多氏個人だけの問題ではありません。たとえば、「本多議員があり得ない性的搾取を擁護する発言をしたが、他の議員から批判の大合唱となった」などと、党内で自浄作用が働いたという内容のニュースであれば、おそらく批判はもっと少なかったことでしょう。

 ところがそうはなりませんでした。報道によると、あろうことか本多議員に同調する別の50代議員すらいたようです。「その議員は誰か」「党としてその人物にも何か注意等の対応をしたのか」という情報は、6月17日現在も公表されておりません。

 さらにその後も、WTは6月3日、4日、7日と開催されたものの、相次いで否定的な意見が出続けたため、取りまとめをいったん断念しています。最終的には6月10日の政調審議会で性交同意年齢を現行の13歳未満から16歳未満に引き上げる方針が決定されたものの、インターネット上で大きな批判が起こっていなければ、決定されなかった可能性もあったでしょう。

立憲民主党の「性犯罪刑法改正に関するワーキングチーム」。この日の会合に本多平直衆院議員は出席しなかった=国会内 202106076月7日に開かれた立憲民主党の「性犯罪刑法改正に関するワーキングチーム」。本多平直氏は欠席した

本多議員を擁護した津村啓介議員の問題点

 Twitterでも、同党の津村啓介議員が「本多平直代議士を、私は擁護する」と述べていました。擁護の理由としては、「政府権力による規制に絶えず検証の目を向け、限界事例を長年丹念に拾ってきた本多氏の真髄も知る」ためのようです。

 ですが、

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