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それでも幕は上がったーーコロナ禍と「高校演劇」〈1〉

中止、変更、様々な規制、高校生は試練の中に

工藤千夏 劇作家、演出家

ばらばらな条件の中で新シーズンが始まった

 8月上旬、関東の高校が集まる「サマーフェスティバル in シアター1010」は中止になり、8月下旬に「こうち総文」の優秀校などが参加する予定だった国立劇場での東京公演も行われなかった。

 例年、全国大会に出場する数校の演劇部を取材したドキュメントと最優秀賞の舞台のノーカット中継をあわせて放送してきたNHK番組「青春舞台」も、今年は取材がままならず、千葉県立松戸高校1校の密着ドキュメンタリーとなった。

 文化祭や学校祭を開催できない高校が多く、校外での公演も含め、演劇部は発表の場を持てない状態が続いた。各都道府県の高文連主催のワークショップも、ほぼ全て中止された。

 それでも、次のシーズンは始まる。

 7月にはもう、2021年8月4〜6日に和歌山県田辺市で開催予定の全国大会(紀の国わかやま総文2021)に向けての地区大会がスタートした。各地の事務局は大会の実施に大変な労力を強いられ、その熱意と努力には敬意を表したい。だが、各地の事情や高文連のガイドラインの違い等によって、参加の条件が大きく異なるという新たな問題が生じている。

 「上演中もマスクかマウスシールドを装着」「俳優同士の直接の接触を避ける」「同時に舞台上にいる人数の制限」など、演出上の規制は、大会ごとに違う。地区大会の中止、逆に、近場の地区大会は実施するが、宿泊移動を伴う県大会は中止など、県ごとの方針もさまざまだ。東京都大会は、関係者だけとはいえ客席に人を入れるため、上演時間をコンクール規定の1時間から40分に短縮したという。

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筆者

工藤千夏

工藤千夏(くどう・ちなつ) 劇作家、演出家

ニューヨーク市立大学大学院演劇科修士課程修了。1992年「青年団」入団、2003年より演出部に所属し「うさぎ庵」を主宰。代表作に『コーラないんですけど』、『真夜中の太陽』(原案・音楽:谷山浩子)など。青森市を拠点にする劇団「渡辺源四郎商店」のドラマターグ。日本劇作家協会評議員。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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