青木るえか(あおき・るえか) エッセイスト
1962年、東京生まれ東京育ち。エッセイスト。女子美術大学卒業。25歳から2年に1回引っ越しをする人生となる。現在は福岡在住。広島で出会ったホルモン天ぷらに耽溺中。とくに血肝のファン。著書に『定年がやってくる――妻の本音と夫の心得』(ちくま新書)、『主婦でスミマセン』(角川文庫)、『猫の品格』(文春新書)、『OSKを見にいけ!』(青弓社)など。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
皆さんは「楊琳」を知っているだろうか。楊琳と書いて「やん・りん」。
いや、その前に「OSK日本歌劇団」(以下OSK)だ。OSKは大阪を本拠地とする、未婚女性だけの歌劇団である。
というと「あー、宝塚(歌劇団)みたいなやつね」という程度には知名度はあるかもしれない。では、宝塚歌劇団(以下タカラヅカ)と、OSK日本歌劇団がどう違うのかというのは説明が難しい。「祇園の舞妓と先斗町の舞妓はどう違うか」というようなもので、祇園や先斗町の人にとってまるで違うものであっても、通りすがりの人には同じに見える。舞妓さんといえば祇園。違うのに。そのへんもタカラヅカとOSKの関係に似ている。
ここでは主に「同じに見える」人に向けて、その魅力を語ってみたい、と、OSKの。
OSKはけっこう歴史がある。来年創立100周年である。100年続いてる劇団なんてめったにあるもんじゃない。が、ここまで来るのにたいへんな紆余曲折があり、経営母体はいくつも変わり、途中で親会社に放り出されて解散とか路上で存続署名活動とか、存続したと思ったら民事再生とか、とっくに消滅しててもおかしくないぐらい波瀾万丈なのである。
いろんな劇場やスペースで公演を打っているが、年にいちどの最大の公演が、大阪松竹座と新橋演舞場での『春のおどり』で、今年はそれに加えて、6月に大阪松竹座で『レビュー夏のおどり』があった。それが「新トップスターのお披露目公演」である。
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