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【公演評】宙組『シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-』『Délicieux!-甘美なる巴里-』

円熟のトップスター真風涼帆が潤花を新トップ娘役に迎え、新たなるスタートへ

さかせがわ猫丸 フリーライター


 宝塚宙組公演、Musical『シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-』~サー・アーサー・コナン・ドイルの著したキャラクターに拠る~、タカラヅカ・スペクタキュラー『Délicieux(デリシュー)!-甘美なる巴里-』が、6月26日、宝塚大劇場で初日を迎えました。

 イギリスの小説家コナン・ドイルが生み出した名探偵シャーロック・ホームズ。彼が活躍する推理小説は、世界中の人々に今もなお愛され続け、聖書に次ぐ読者数を誇るともいわれています。今作品では、そんなホームズを主人公に、各作品の登場人物やテイストを織り交ぜながら、宝塚歌劇のオリジナル・ミュージカルとして生まれ変わりました。

 円熟期を迎えるトップスター真風涼帆さんは、この公演から新しい相手役となるトップ娘役・潤花さんとともに第二章のスタートです。新型コロナの影響で延期されていた第107期生のお披露目も加え、充実する宙組の今を象徴する舞台となりました。(以下、ネタバレがあります)

イギリス紳士が似合う真風

拡大『シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-』公演から、真風涼帆=岸隆子 撮影

 シャーロック・ホームズといえば、天才的な推理力とあらゆる才能を持つ変装の名人。学問・剣術・音楽にまで秀で、完全無欠かと思いきや、一般常識はぽっかり欠けていたりする風変わりな男――世界中にファンを持つこの名探偵を、真風さんが演じるとなれば、どんなキャラクターに仕上がるのでしょうか。小説では味わえない、宝塚のハンサムなイギリス紳士を、心ゆくまで堪能できるのは間違いなさそう!?

――1890年冬のロンドン。人々は、連続殺人鬼 “切り裂きジャック”に怯えて暮らしていた。新聞に5人目の殺害予告が届けられると、スコットランド・ヤードのレストレード警部(和希そら)は、シャーロック・ホームズ(真風)へ協力を依頼する。すでに浮浪者に扮し捜査を重ねていたホームズは、ジャックを組織犯罪だとにらみ、犯人をつかまえるが、それはただの運び屋だった。それでも“切り裂きジャック”逮捕のニュースに、街は平穏を取り戻すのだが……。

 襟元にはリボンタイ、ウエストに共布のリボンベルトがついたモスグリーンのスーツがいかにもイギリス紳士で、真風さんのカッコよさを最高に引き出しています。これまで数々の難事件を解決してきた男であることを、立ち姿だけで納得させるのは、さすがトップスターでしょうか。一目で役に説得力を持たせる真風さんに、改めて感嘆です。一方で、下宿先のハドスン夫人にガミガミ言われたり、ワトスンにはわがまま放題など、お茶目な一面もあって、なんだか真風さんのかわいらしさものぞくよう。

 鎖の暗号を解いたホームズは、ついに切り裂きジャックのしっぽをつかんだと思われたのですが……。事件の恐怖に揺れるロンドンの群衆や逮捕劇など、宙組らしい分厚いコーラスが作品を盛り上げます。

◆公演情報◆
『シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-』
『Délicieux!-甘美なる巴里-』
2021年6月26日(土)~8月2日(月) 宝塚大劇場
2021年8月21日(土)~9月26日(日) 東京宝塚劇場
公式ホームページ
[スタッフ]
『シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-』
作・演出:生田 大和
『Délicieux!-甘美なる巴里-』
作・演出/野口 幸作

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筆者

さかせがわ猫丸

さかせがわ猫丸(さかせがわ・ねこまる) フリーライター

大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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