青木るえか(あおき・るえか) エッセイスト
1962年、東京生まれ東京育ち。エッセイスト。女子美術大学卒業。25歳から2年に1回引っ越しをする人生となる。現在は福岡在住。広島で出会ったホルモン天ぷらに耽溺中。とくに血肝のファン。著書に『定年がやってくる――妻の本音と夫の心得』(ちくま新書)、『主婦でスミマセン』(角川文庫)、『猫の品格』(文春新書)、『OSKを見にいけ!』(青弓社)など。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
今、京都の南座で、『松竹新喜劇 夏まつり特別公演』が上演されている。
松竹新喜劇っていうと「昔テレビで見てたわー、なつかしいわー」という関西の人はけっこういるけれど、今はテレビでやってないしなあ。大阪局制作の朝ドラに、松竹新喜劇の役者がよく出るので、見かけるけれど。
みなさん、『松竹新喜劇』のイメージって何ですか?
『松竹新喜劇』といえば「笑いと涙」である。
アホなおっちゃんおばちゃんがベタなズッコケを繰り出してくるけどアホにはアホの真心がある、人情がある、最後はホロリと泣かせます、的な。
世間は「笑いと涙」だと思ってるし、松竹新喜劇のポスターとかにも「笑いと涙の」と書いてあったりするし、実際に松竹新喜劇を見ると、ほんとに笑って最後にホロリとくるような芝居で、それがまたうまくできてるんで感心する。
……と、書いておきながら、実は、
「松竹新喜劇は、笑いと涙では“ない”」
のではないか。『夏まつり特別公演』を見ていて、そのことに気がついた。
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