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愛希れいか、田代万里生、三浦涼介 会見レポート

ミュージカル『マタ・ハリ』が大阪で開幕

米満ゆうこ フリーライター


 誰もが知っている世界的なスパイ、マタ・ハリの半生を描いたミュージカル『マタ・ハリ』が梅田芸術劇場で開幕中だ(~20日まで)。同作は、『ジキル&ハイド』『スカーレット・ピンパーネル』などでおなじみの米国の作曲家フランク・ワイルドホーンの新作として韓国で初上演。日本では柚希礼音をマタ・ハリ役に迎えて2018年に初演された。今回はマタ・ハリ役に柚希とダブルキャストで愛希れいかが初登場。また、マタ・ハリをスパイへと導くフランス諜報局のラドゥー大佐に田代万里生(加藤和樹とダブルキャスト)、彼女と恋に落ちるパイロットのアルマンに三浦涼介(東啓介とダブルキャスト)が、それぞれ初出演を果たす。その愛希、田代、三浦が大阪公演の直前に会見した。

マタ・ハリは強さがあるからこそ美しい

拡大左から、三浦涼介、愛希れいか、田代万里生=岸隆子 撮影

――愛希さんは初めてマタ・ハリを演じていかがですか。

愛希:マタは今の私には想像してもしきれないぐらいの痛みや苦しみを味わって生きてきて、それを乗り越えてきたからこその強さを感じます。強さがあるからこそ美しい。演じる前は、マタは愛情を受けて育っておらず、自分しか愛せない人間だと思っていたんですが、実は誰に対しても愛情深い人なんです。

――ダンスシーンが息をのむほど美しいそうですね。

愛希:ジャワニーズという、ジャワのダンスを取り入れ、マタが祈るような気持ちを表現しています。ダンスは基本的に心の表現で、技術だけではないと思っていて、この作品でますますそれを確信しました。動きがとても難しいのですが、神や守護神に捧げる気持ちで踊っています。実際のマタは一枚一枚衣装を脱いでいく印象がありますが、今回はそこまでではないものの、官能的な曲線を意識して踊っています。

拡大愛希れいか=岸隆子 撮影

――三浦さんのアルマンはマタへの愛情がつのる一方、彼女には言えない秘密を抱えます。

三浦:毎公演、自分なりに演じていますが、何が正解か答えはありません。一つ、僕の中で確かなのは相手をがむしゃらに信じること。柚希さんは一瞬にして場の雰囲気を変えてしまうオーラがあり、愛希さんはチャーミングで強くて芯のある女性。お二人とも大好きです(笑)。相手から受けることで自分の表現も広がっていき、毎回パワーをもらって演じています。

――田代さんはワイルドホーン作曲の舞台は、今作で6作品目です。

田代:稽古場ではピアノだけで歌っていたんですが、本番でオーケストラを入れて歌うと、立体的でダイナミックでドラマティック。劇場を覆いつくすような勢いがあり、まさにワイルドホーンの世界観に浸れます。ワイルドホーンはメロディメーカーであり、頭の中にはいつもたくさんのメロディが浮かんでいるはずなのに、今回はリプライズが多い。そこがラドゥーの気持ちの置きどころです。ラドゥーとして心情を表す高いキーがたくさんあり、ワイルドホーンの作品はいつも歌うのが大変です。また、アルマンとラドゥーの男性の二重奏も聴きどころですね。

大阪公演は組み合わせが8パターン

――愛希さんは柚希さんに憧れて宝塚に入ったそうですね。今回はダブルキャストでいかがですか。

愛希:柚希さんの大ファンで今、こうやってダブルキャストでいることが感慨深いです。柚希さんはあんなに舞台ではカッコいいのに、普段はとてもかわいらしくて大らかでやわらかな方。役について話し合ったり、色んな考えを共有してきたりしました。一緒に作ることができてすごく幸せで楽しかったです。柚希さんのマタは大スターのオーラがあり、それが少しでも私にあればいいと思っていたんですが、演出の石丸さち子さんが「あなたらしくしていればいい」とおっしゃってくださり、今は、私なりのマタを作っています。柚希さんのマタを参考にさせていただいて、舞台で見る時は客観的に見ようと意識しています。

三浦:いや、愛希さんもすごいオーラですよ。稽古ではかわいくて小さな女の子なのに(笑)、メイクをして衣装を着てライトを浴びればびっくりさせられるんです。ほかの作品も自分でチケット買って見ていたので、やっぱりすごいなと思いました。ギャップ萌えですね(笑)。

拡大田代万里生=岸隆子 撮影

田代:『エリザベート』でご一緒させていただいたんですが、『マタ・ハリ』で愛希さんのダンスを見てもうびっくりしたんです。何ともいえない色気やカッコよさ、芯の強さもあって、全部詰まっている。踊っている時の表情も、今まで見たことがなく新鮮で衝撃でした。ラドゥーがマタ・ハリにファーストコンタクトを取った時と同じような感覚を自然と受けたので、彼女の楽屋を訪ねるシーンは全く役作りなしでいけています(笑)。

――今までで、何か印象に残るできごとはありましたか。

愛希:やっぱり幕が開いてお客さまが劇場にいらっしゃることですね。

三浦:僕はお客さんの温かい拍手です。

田代:稽古場でのエピソードですが、ある日、アンサンブルの方が不在でキャストに穴があいたんです。そこをラドゥー役の加藤和樹君が、色んなシーンのアクションや歌を完璧にこなして代役を務めてくれました(笑)。さすが、初演でアルマンとラドゥーの二役を演じただけあります。皆の士気が上がりました。

拡大三浦涼介=岸隆子 撮影

――最後に大阪の観客にメッセージをお願いします。

三浦:大阪に来られて、初日を迎えることができて心からうれしいです。お客さまが『マタ・ハリ』の世界にどっぷりと浸かり、このご時世を一瞬でも忘れられるような3時間になってもらえるよう、精一杯演じたいです。

田代:コロナ禍の中、毎日本番をやる上で、色んなスタッフや多くの人に支えられてここまで来ました。DVDの発売も発表されて、DVDがあるから見に行かなくてもいいかなと思う方もいるかもしれませんが、大阪は8公演あり、組み合わせも8パターンあるんです。8回見てもいいと思いますし(笑)、毎公演、違うドラマが生まれているので、梅田芸術劇場で皆さんと共有したいです。劇場の方は感染対策を万全にしてくださっていますので、皆さま、お気をつけていらしてください。

愛希:梅田芸術劇場に来ると、「ただいま」とホームのような感じがして、とてもうれしいです。生の舞台はその時にしか感じられないものなので、舞台に立つ前に、皆さんにとって幸せな3時間であるように祈っています。ぜひ、足を運んでいただけたらと思います。

◆公演情報◆
ミュージカル『マタ・ハリ』
大阪:2021年7月16日(金)~7月20日(火) 梅田芸術劇場メインホール
公式ホームページ
[スタッフ]
脚本:アイヴァン・メンチェル
作曲:フランク・ワイルドホーン
歌詞:ジャック・マーフィ
オリジナル編曲・オーケストレーション:ジェイソン・ホーランド
訳詞・翻訳・演出:石丸さち子
[出演]
柚希礼音、愛希れいか、加藤和樹、田代万里生、三浦涼介、東啓介
春風ひとみ、宮尾俊太郎 ほか

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筆者

米満ゆうこ

米満ゆうこ(よねみつ・ゆうこ) フリーライター

 ブロードウェイでミュージカルを見たのをきっかけに演劇に開眼。国内外の舞台を中心に、音楽、映画などの記事を執筆している。ブロードウェイの観劇歴は25年以上にわたり、〝心の師〟であるアメリカの劇作家トニー・クシュナーや、演出家マイケル・メイヤー、スーザン・ストローマンらを追っかけて現地でも取材をしている。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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