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子どもの通学路を学校教職員・教委関係者は歩いて通勤すべきだ

「八街事件」が学校関係者につきつけたもの

杉田聡 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)

 行政の不作為による災難に、市民はさらされてきた。ワクチン開発に関わる厚労省の長年の不作為がコロナ禍を深刻なものにし、無症状者を含む市民全体に対するPCR検査未実施の不作為も、これを助長した。

 最近の大災害で見れば、熱海市での不法な盛り土を市当局が見逃し放置した事実、ひいては残土処理(これはリニア中央新幹線・北海道整備新幹線事業でも問題化した)について法の不整備を国交省が放置した事実も、同様の災難をもたらした。

自治体・学校関係者の不作為

 小学生5人が下校中にトラックにはねられ死傷した「八街事件」(これに類似した事件は各地で起きてきた)でも、基礎自治体があのような危険な道を放置した(している)事実について、不作為が問われる。

事故から1カ月を迎えた現場。今でも手を合わせに訪れる人が絶えない=2021年7月28日午前10時11分、千葉県八街市拡大八街の事件から1カ月を迎えた現場=2021年7月28日、千葉県八街市

 八街市の場合、子どもの親等から通学路の危険性を問題視する訴えが出ていたにもかかわらず──死傷した子どもが通っていた小学校のPTAは、2008~11年度に、事件の起きた道路へのガードレール設置を要請した(朝日新聞デジタル2021年7月1日付)──、それはなぜ深刻に受け止められなかったのか。

 しかもあの道路は通学路として利用されただけではなく、通学路と指定されていたのに、なぜその危険性を、自治体関係者(特に教育委員会・児童福祉関係者等)のみならず、市議会議員や、子どもたちの安全・生活に直接かかわる学校教職員が、認識できなかったのか。

 あるていど認識はされていたと信ずるが、ではなぜ現場の改良が進まないまま、長年にわたって危険が放置されたのか。

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筆者

杉田聡

杉田聡(すぎた・さとし) 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)

1953年生まれ。帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)。著書に、『福沢諭吉と帝国主義イデオロギー』(花伝社)、『逃げられない性犯罪被害者——無謀な最高裁判決』(編著、青弓社)、『レイプの政治学——レイプ神話と「性=人格原則」』(明石書店)、『AV神話——アダルトビデオをまねてはいけない』(大月書店)、『男権主義的セクシュアリティ——ポルノ・買売春擁護論批判』(青木書店)、『天は人の下に人を造る——「福沢諭吉神話」を超えて』(インパクト出版会)、『カント哲学と現代——疎外・啓蒙・正義・環境・ジェンダー』(行路社)、『「3・11」後の技術と人間——技術的理性への問い』(世界思想社)、『「買い物難民」をなくせ!——消える商店街、孤立する高齢者』(中公新書ラクレ)、など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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