玉川奈々福(たまがわ・ななふく) 浪曲師
横浜市生まれ。出版社の編集者だった94年、たまたま新聞で浪曲教室のお知らせを見て、三味線を習い始め、翌年、玉川福太郎に入門。01年に曲師から浪曲師に転じ、06年、玉川奈々福の名披露目をする。04年に師匠である福太郎の「徹底天保水滸伝」連続公演をプロデュースして大成功させて以来、数々の公演を企画し、浪曲の魅力を広めてきた。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
映像美、音楽の魅力、肉体の躍動……どう描く
「奈々福さん、『シコふんじゃった。』を浪曲にしてもらえませんか」
映画監督の周防正行さんから、前触れもなく正面切っていきなり言われたのは、NHKの「SWITCHインタビュー達人達」という対談番組の、収録本番のときでした。
周防さんは、新作映画「カツベン!」のために、日本の語り芸のことを深く学ばれ、その中で浪曲に出会われ、すっかりハマってくださり、対談相手に奈々福をご指名くださったのです。
それにしてもですよ。
「シコふんじゃった。」を浪曲に!
と、言われたときの、私の顔……あとから映像チェックして笑っちゃった。
眼をむいて、驚いてました。
だって、そうでしょう?
大ヒット映画ですよ。名作ですよ。
1992年公開の、私、だいっすきな映画なんです。
その監督じきじきに。
ご指名で。
直接に。
「浪曲にしてもらえませんか」
アンビリーバボーーーーーッ!
う、う、うれしいっ!
よ~し、作るぞっ!と、鼻息荒くなったんですが。
これがねえ。新作作るって容易じゃないんですよ。
好きであればあるほど。
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