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池田純矢インタビュー(下)

エン*ゲキ#05『–4D–imetor』、1年を経てより進化し開幕

真名子陽子 ライター、エディター


池田純矢インタビュー(上) 

もし超能力を使えたら?

――池田さん演じる渡来暦は「渡来超能力研究所」の所長という設定です。もし、池田さんが超能力を使えるとしたらどんな超能力を使いたいですか?

 僕は……透明人間ですね

――なるほど! 透明人間になって何が見たいんですか?

 それは、ご想像にお任せします(笑)

――(笑)変なことを想像しちゃいますよ!?

 (笑)変な想像で合ってると思います、きっと……。でも、普段見られない世の中のすべてを見たいですね。

拡大池田純矢=森好弘 撮影

――では、瞬間移動ができたらどこへ行きたいですか?

 宇宙ですかね。

――なぜ、宇宙へ?

 瞬間移動というのは一生使えないとは思うんですね。その上で、なんで行きたいかって言うと、宇宙は酸素もないですし、めちゃくちゃ乾いていて、宇宙に体一つで放り投げられると、体の中の水分が一気に飛んで一瞬にして塵になるんですって。

――だから行きたいんですか?

 はい。一瞬で消えて無くなりたいと思う最後に使いたいです(笑)

拡大池田純矢=森好弘 撮影

――一瞬で無くなるって良いですね。私も使いたいです。では、この自粛期間中に新しく興味を持ったことはありますか?

 もともとすごく料理が好きで、調理師免許も持っているんですけれども、この1年を経て明らかにレベルアップしました!自粛生活も長くなるとやっぱり美味しいものを食べたくなるじゃないですか。前から凝った料理を作っていたんですけど、より専門的な料理を作るようになりました。朝5時ぐらいに起きて朝ごはん用にパン生地をこねたりとか。ラーメンもいろんな種類のラーメンを作るんですけど、スープを10時間ほど煮込んだり、原価を考えたら絶対に店では食べられない食材を使ったラーメンとか、スパイスを調合してカレーを作ったり、より専門的な料理を作るようになって、料理はかなり極めたと思いますしもっと極めたいと思っています。

エンターテインメントが必要な人間がここに一人いる

――自粛期間もそれなりに楽しまれたんですね。

 いや、楽しくはないですね……。それでも生きていかないといけないから、何かを見つけないと気力がどんどん失われていくんですよね。作品を創るモチベーションとか、エンターテインメントに向かう気持ちなどは、常にたぎらせておく必要があるんですけど、それを枯渇させないためには息抜きも必要で。それが普段ならやっぱりエンタメが好きなので、映画を見たり芝居を観たりドラマを見たり、友だちとお酒を飲んだり、カラオケへ行ったり、いい意味でガス抜きをしながら、自分の仕事と向き合っていたんだけれども、いろんな事が出来なくなって、そのガス抜きの部分が今料理に向かったというだけなんですけどね。

拡大池田純矢=森好弘 撮影

――エンターテインメントとはどういう風に向き合いましたか?

 不要不急だなあと思いました。なくても生きてもいけるものだなっていうことを、改めて突きつけられたような気がします、生きていくだけで良いならば。食事をして、睡眠をとって、運動をして、ただ生きていくだけならば確かに必要ないものかもしれない、ということを改めて突きつけられた気がしましたけれども、それでも気力というか心を充足させるにはどうしても必要なものだとも思いました。

 人それぞれだとは思うんです。エンターテインメントなんて必要ないと言い切る方には、エンターテインメントは心にとって絶対必要で不要不急じゃないんです、という僕らの思いは届かないかもしれない。けれど、確実に必要な人間がここにいるって思いました(笑)。まず、どうしても必要な人間がここに一人いるっていうことを確信しましたし、僕だけじゃなくそう思っていくださる方々はたくさんいらっしゃると思います。だから、もっともっと突き詰めて丁寧に向き合わないといけないなっていうことはすごく考えましたね。

◆公演情報◆
エン*ゲキ#05『–4D–imetor(フォーディメーター)』
東京:8月5日(木)~15日(日)  紀伊國屋ホール
大阪:8月28日(土)~29日(日)  COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
公式サイト
作・演出:池田純矢
出演:生駒里奈×池田純矢
村田充
松島庄汰 田村心 新子景視
藤澤アニキ 北村海 町田尚規 松本城太郎 前田りょうが 春本ヒロ
阿南健治
 
〈池田純矢プロフィル〉
 2006年「第19回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で準グランプリを受賞しデビュー。俳優としてドラマ、映画、舞台で活躍するほか、2015年に自身が作・演出を担う企画「エン*ゲキ」シリーズを立ち上げ、脚本家・演出家としてのキャリアをスタート。2018年には「LADY OUT LAW!」で脚本提供するなど、クリエイターとして外部作品に参加している。
公式twitter

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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