メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

【公演評】雪組『CITY HUNTER』『Fire Fever!』

雪組新トップスター彩風咲奈がハードボイルド・コメディで大劇場に灼熱デビュー!

さかせがわ猫丸 フリーライター


 雪組公演ミュージカルミュージカル『CITY HUNTER』-盗まれたXYZ-、ショー オルケスタ『Fire Fever!』が、8月7日、宝塚大劇場で初日を迎えました。この公演で、雪組の新トップスター彩風咲奈さんの大劇場お披露目となります。

 北条司氏原作の「シティーハンター」は、1985年から週刊少年ジャンプで連載されたコミックで、累計発行部数5千万部を超えた大人気ハードボイルド・コメディです。男性からひときわ愛されるスーパーヒーロー冴羽獠に、彩風さんが体当たりで挑戦。アニメのテーマソング「GET WILD」や「STILL LOVE HER (失われた風景)」も登場し、原作ファンのハートもガッチリつかみました。

 新トップ娘役の朝月希和さんとともに、彩風さん率いる新生雪組が、熱く華やかにスタートです。(以下、ネタバレがあります)

弾けた彩風の新しい魅力

拡大『CITY HUNTER』公演から、彩風咲奈=岸隆子 撮影

 主人公・冴羽獠は、情に深く優しい凄腕スイーパーですが、表の顔は女性にめっぽう弱いおちゃらけキャラ。そのギャップが最大の魅力にもなっているのですが、このお色気場面多発作品を、清く正しく美しい宝塚が一体、どう表現するのか? 原作ファンも巻き込んで大きな注目を集めました。

――裏社会一のスイーパー冴羽獠(彩風)、またの名をCITY HUNTER。新宿駅東口の伝言板に書かれる「XYZ=もう後がない」が、彼への依頼メッセージだ。だが、獠が依頼を引き受けるのは、美女絡みか“心が震えたとき”のみ。いつも女性にだらしない獠は、今日もパートナーの槇村香(朝月)からの怒号を浴びせられていた。そんなある日、獠のもとに美人敏腕刑事・野上冴子(彩みちる)がやってきて、グジャマラ王国のアルマ王女(夢白あや)の護衛をつとめてほしいという。

 彩風さんはちょっぴり時代を感じさせる長髪に、Tシャツ、ジャケットのシンプルな冴羽スタイルですが、漫画のようにムキムキではなく、素材そのままのカッコよさで、宝塚らしい世界を堪能できるのがうれしいところ。美女にデレデレしては、香に巨大ハンマーで殴られるお約束の流れもたびたび登場しますが、品を損なうことなく、キュートさを醸し出すのは、本来の愛らしさゆえでしょうか。これまでは「静」な役柄が多かった彩風さんの思い切り弾けた演技は、新しい魅力を開拓しただけでなく、組を引っ張る勢いにもつながっていくことを予感させます。

 獠の秘められた過去や生きざま、そこから派生した心のあたたかさとカッコよさに客席も撃たれ続け、名スイーパーにファンもハチの巣状態!? もはや冴羽獠=彩風さんにしか見えなくなりました。

◆公演情報◆
『CITY HUNTER』『Fire Fever!』
原作/北条 司「シティーハンター」
(C)北条 司/コアミックス 1985
2021年8月7日(土)~9月13日(月) 宝塚大劇場
2021年10月2日(土)~11月14日(日) 東京宝塚劇場
公式ホームページ
[スタッフ]
『CITY HUNTER』
脚本・演出:齋藤吉正
『Fire Fever!』
作・演出:稲葉太地

・・・ログインして読む
(残り:約2656文字/本文:約3948文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

さかせがわ猫丸

さかせがわ猫丸(さかせがわ・ねこまる) フリーライター

大阪府出身、兵庫県在住。全国紙の広告局に勤めた後、出産を機に退社。フリーランスとなり、ラジオ番組台本や、芸能・教育関係の新聞広告記事を担当。2009年4月からアサヒ・コム(朝日新聞デジタル)に「猫丸」名で宝塚歌劇の記事を執筆。ペンネームは、猫をこよなく愛することから。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

さかせがわ猫丸の記事

もっと見る