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『検察側の証人』に出演!成河インタビュー(上)

ご覧になる観客の方々が自然に巻き込まれていく作品

橘涼香 演劇ライター


 ミステリーの女王と讃えられる推理作家であり、戯曲作家としても数々の傑作を残したアガサ・クリスティによる法廷劇の決定版『検察側の証人』が、いま最も注目を集める演出家のひとり小川絵梨子自らの新翻訳・演出によって8月28日~9月12日東京・世田谷パブリックシアター、9月16日~20日兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、9月23日~28日大阪・枚方市総合文化芸術センター 関西医大 大ホールで上演される。

 『検察側の証人』は、『ねずみとり』『蜘蛛の巣』などと並んでいまなお、世界中で上演される不朽の名作。緊迫感あふれる台詞の応酬、次々に意外な方向に転がっていく展開が、観る者を魅了してやまない最高峰の法廷劇だ。

 資産家の婦人殺しの容疑をかけられる青年レナード役にジャニーズWESTの小瀧望。その妻ローマイン役の瀬奈じゅんをはじめとした個性豊かなキャストが揃うなかで、検事・マイアーズを演じる成河が、この作品が持つ独特の魅力や検事という役柄に感じる想い、また演出の小川絵梨子の作品創りに感じる信頼などを語ってくれた。

自分の気持ちを全く喋らない面白さ

拡大成河=岩田えり 撮影

──お稽古に入られているなかで、改めて作品の魅力をどう感じていらっしゃるか?から教えてください。

 まずやはり非常によく書かれている戯曲だなと思います。作品をご覧になる観客の方々が自然に巻き込まれていく。一緒に思考することが無理やりではなく、ごくすんなりと行われていく中で、ドラマが進んでいくのが魅力ですね。

──そのなかで、検察のマイアーズを演じられますが、役柄についてはどのように?

 いままさに探っている最中です。本当にあらゆる選択肢があるなかで、何を大事にしていこうか?を稽古のなかで見つけていこうとしています。小川絵梨子さんの稽古場は特にそうした作業を丁寧に繰り返していくので、そこに飛び込んで詰めていっているところです。

 そのなかでひとつ面白いなと思っているのは、このマイアーズという役は直接言葉で自分の意見を言わない、というところです。自分が何を思っているのかについてはひと言も書かれていない。彼はあくまでも証人から聞き出そうとして話をしているので、表面的には自分の気持ちを全く喋らない。書かれていないということは、つまりどうとでもとれるんですよ。それがすごく面白いですね。

 喋らなければ喋らないほど、滲み出てくるものはあるはずですし、僕がこの役をどう感じるかというよりも、この芝居のなかで、どの立ち位置に立ったら一番面白いのかな?というところを考えています。あとは、あまり人間離れはしたくないなと。

拡大成河=岩田えり 撮影

──「検察官」という役職だけになってしまわないようにということでしょうか?

 二時間なりの芝居を通して、自分の気持ちを一切言葉にしなかったにも関わらず、マイアーズという人間が、何を思っていたのかが残るようにはしたいですね。

◆公演情報◆
『検察側の証人』
東京:2021年8月28日(土)~9月12日(日) 世田谷パブリックシアター
兵庫:2021年9月16日(木)~9月20日(月・祝) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
大阪:2021年9月23日(木・祝)~9月28日(火)  枚方市総合文化芸術センター 関西医大 大ホール
公式ホームページ
[スタッフ]
作:アガサ・クリスティ
翻訳・演出:小川絵梨子
[出演]
小瀧 望(ジャニーズWEST) 瀬奈じゅん/大滝 寛 浅野雅博 寺西拓人 斉藤直樹
林 愛夏 西川大貴 阿岐之将一/那須佐代子 梶原善/成河
 
〈成河プロフィル〉
 東京都出身。大学時代より演劇を始める。近年の主な舞台出演作品は、『森 フォレ』『スリル・ミー』『子午線の祀り』『イリュージョニスト』『Fully Committed』『VIOLET』『ねじまき鳥クロニクル』『タージマハルの衛兵』『人間風車』『髑髏城の七人Season花』『わたしは真悟』『エリザベート』『グランドホテル』など。2008(平成20)年度文化庁芸術祭演劇部門新人賞受賞、第18回読売演劇大賞 優秀男優賞受賞。Netflix アニメーション・ミュージカル映画『VIVO ビーボ』で日本語版ビーボ役を担当。
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筆者

橘涼香

橘涼香(たちばな・すずか) 演劇ライター

埼玉県生まれ。音楽大学ピアノ専攻出身でピアノ講師を務めながら、幼い頃からどっぷりハマっていた演劇愛を書き綴ったレビュー投稿が採用されたのをきっかけに演劇ライターに。途中今はなきパレット文庫の新人賞に引っかかり、小説書きに方向転換するも鬱病を発症して頓挫。長いブランクを経て社会復帰できたのは一重に演劇が、ライブの素晴らしさが力をくれた故。今はそんなライブ全般の楽しさ、素晴らしさを一人でも多くの方にお伝えしたい!との想いで公演レビュー、キャストインタビュー等を執筆している。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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