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「元祖・ボカロP」が残した足跡(上)〜初音ミク、奇跡の3カ月(9)

「音楽を動画で聴く時代」に先駆けた工夫

丹治吉順 朝日新聞記者

「初音ミクが届かない!」

その「最初のボカロP」はどのように誕生したのか。

ワンカップPさんが初音ミクを知ったのは発売日2007年8月31日の1カ月ほど前。ネットの一部ですでに話題になっていた。発売前からそれほど評判になるほどの熱量に、「これはブームになる」と思った。

そこで通販サイト・アマゾンで初音ミクを注文。告知された到着予定日の9月2日(木曜日)は勤務先に有給休暇を申請し、配達を待った。スタートダッシュが肝心と信じていたからだ。ネタも十分に用意して、手ぐすね引いていた。

「私がやりたいネタは他の人もやりたいに違いないと思い込んでいて、そのネタの取り合いになるのでは?と恐怖すら覚えていました」と、当時の心境を語る。

……ところが、来ない。

準備していたネタも、初音ミクを無事入手した人たちがどんどん消費していく。恐れていた通りだった。

来ないとわかった当日は本当に焦った。だが、そこで指をくわえてはいなかった。すぐに動画を作り始める。その行動力には自分でも驚いた。

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筆者

丹治吉順

丹治吉順(たんじよしのぶ) 朝日新聞記者

1987年入社。東京・西部本社学芸部、アエラ編集部、ASAHIパソコン編集部、be編集部などを経て、現在、オピニオン編集部・論座編集部。機能不全家庭(児童虐待)、ITを主に取材。「文化・暮らし・若者」と「技術」の関係に関心を持つ。現在追跡中の主な技術ジャンルは、AI、VR/AR、5Gなど。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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