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「元祖・ボカロP」が残した足跡(下)〜初音ミク、奇跡の3カ月(10)

覆された「オリジナル曲は流行らない」の常識

丹治吉順 朝日新聞記者

満を持して、10年前の作品を復活投稿

話を戻そう。

「もっと歌わせて2107」の反響が冷めないうちに、満を持して投稿したのが、本命の「子猫のパヤパヤ」(2007年10月22日投稿)だ。実際に作ったのは1997年ごろ、当然、初音ミクは影も形もない時期だった。

【初音ミク】 子猫のパヤパヤ
子猫のパヤパヤは
まっしろな猫で
左目が青くて
右目が緑
お刺身についてる
大根が好きで
今日もムシャムシャと
食べていたよ

後ろに何かいる
怪しい影
大根やらないぞと
パッと飛びついた
(「子猫のパヤパヤ」から)

自宅で飼っていた愛猫「ミルミル(愛称:みるこ)」をモデルに、「パヤパヤ」という名のネコと飼い主のささやかな交流を描いた歌。ミルミルは、歌詞とは逆に、左目が緑で右目が青色だった。

パヤパヤのモデルになったワンカップPさんの飼い猫ミルミル(写真はワンカップPさん提供)拡大パヤパヤのモデルになったワンカップPさんの飼い猫ミルミル(写真はワンカップPさん提供)

写真がそのミルミルで、うっかりストロボを焚いて撮ったため、左目が赤く写ってしまったという。

期待通り、「子猫のパヤパヤ」は当初から評判を集めた。

「超可愛い」
「わPが評価されててうれしい」
「みんなのうたみたい」
「NHKで流せばいいのにな」

投稿数日以内に書き込まれたコメントだ。

次々生まれる「パヤパヤ」の派生

それだけではない。思いもよらない反応が続々と寄せられる。

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筆者

丹治吉順

丹治吉順(たんじよしのぶ) 朝日新聞記者

1987年入社。東京・西部本社学芸部、アエラ編集部、ASAHIパソコン編集部、be編集部などを経て、現在、オピニオン編集部・論座編集部。機能不全家庭(児童虐待)、ITを主に取材。「文化・暮らし・若者」と「技術」の関係に関心を持つ。現在追跡中の主な技術ジャンルは、AI、VR/AR、5Gなど。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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