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柚希礼音インタビュー(下)

『REON JACK』では「柚希礼音」の根本に帰る

橘涼香 演劇ライター


柚希礼音インタビュー(上)

全てを出さないとここには立っていられない

──日替わりゲストの方々との場面を伺って、大変困りました! どの日にも絞れない気持ちになります。

 そうでしょう? 日々大変豪華な場面になると思っています。こういうご時世ですから、皆さんと長い時間お稽古させていただくのはなかなか難しいのですが、でもどの場面も深く、濃く、お稽古を重ねたい!というものになっているので、ご期待いただきたいです。

──そんななかで、改めてというお話になりますが、最初に宝物とおっしゃった『REON JACK』は、柚希さんにとってどんな位置づけのステージになるのでしょうか。

 様々なミュージカル作品に挑戦させていただいてきていますが、『REON JACK』では「柚希礼音」の根本に帰るという気持ちになります。役を演じるのではなくて、柚希礼音としてパフォーマンスをする大切な場所です。宝塚時代にはほぼ毎公演ショー作品がありましたので、たくさん踊らせていただいてきたのですが、やはり退団すると踊る機会がかなり減ってしまうんです。『マタ・ハリ』も踊り子の役ではありましたが、ショーのように踊るという訳ではありません。

 やはり私はバレエから芸事をはじめましたので、ダンスには強い思い入れがあります。何よりも大切なのは、はじめにも言いましたように客席の皆様との心の交流で、本当に温かいものに満たされますので、毎回観てくださる皆様、ファンの方々を幸せにしたい!という想いで挑んでいます。でもいつも幸せにしてもらっているのは私の方だなと思っていて。

柚希礼音拡大柚希礼音

──いえいえ、観る側にとっても柚希さんのエンターティナーぶりが満喫できる素敵な場ですが、役を演じるのと「柚希礼音」というアーティストとして踊られるのとはかなり違うものですか?

 はじめはその違いに戸惑ったくらい別のものなんです。最初にそれに気づいたのが宝塚時代にさせていただいたコンサート『REON!!』の時だったのですが、心も細胞も血も汗も涙も、今までやってきた全てを出さないとここには立っていられないという状況になります。ですから今の私がまずしっかりと充実していなければいけませんし、特に『REON JACK』では必ず次に向けての大きな挑戦もしたいとも思っていて。その上で温かいものを観たとも感じていただきたいので。

──そうしますと、宝塚の男役として経験されてきたショー作品ともまた違う感覚ですか?

 ショーとも確かに違う感覚です。宝塚のショー作品では、場面のなかに色々な設定があって、一場面ひと場面で捉えると、やはり演じている部分があるんです。でも「柚希礼音」として一本の作品を通すことは、私自身で全てに向き合うということなので、最初の経験だった『REON!!』では、非常に難しいと感じましたが、でもそれによってお客様との心の距離がグッと縮まったと思えて。ですから、退団したあとスタートした『REON JACK』が『REON JACK 4』までこられたというのは、お客様がいてくださっているからこそなので、感謝の気持ちでいっぱいです。

◆公演情報◆
『REON JACK 4』
東京:2021年9月11日(土)~12日(日) TOKYO DOME CITY HALL
北九州:2021年9月18日(土)~19日(日) 北九州芸術劇場大ホール
大阪:2021年9月23日(木・祝)~26日(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
公式ホームページ

[スタッフ]
音楽監修:本間昭光
音楽監督:NAOTO
演出・振付:大村俊介(SHUN)
振付:辻本知彦(「辻」は一点しんにょう)、YOSHIE、Cristian & Nao

[出演]
柚希礼音
上野水香(東京公演のみ)、宮尾俊太郎(北九州公演・大阪公演のみ)
大村俊介(SHUN)、YOSHIE、クリスティアン・ロペス ほか

<日替わりゲスト> ※出演順
【東京公演】甲斐翔真(9/11)、夢咲ねね(9/12)
【北九州公演】佐藤隆紀(LE VELVETS) (9/18,19)
【大阪公演】湖月わたる(9/23,24)、東啓介(9/25)、西川貴教(9/26)


〈柚希礼音プロフィル〉
 1999年初舞台。2009年宝塚歌劇団星組トップスターとなり、6年に渡りトップを務めた。2014年には日本武道館での単独コンサートも行うなど、宝塚歌劇100周年を支えるトップスターとして活躍。2015年5月同劇団を退団。退団後の作品に、『プリンス・オブ・ブロードウェイ』『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー ~』『マタ・ハリ』『ボディガード』、第27回 読売演劇大賞優秀作品賞を受賞した『 FACTORY GIRLS ~私が描く物語~』などがある。2022年1月に再演される『ボディガード』への出演が決まっている。
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筆者

橘涼香

橘涼香(たちばな・すずか) 演劇ライター

埼玉県生まれ。音楽大学ピアノ専攻出身でピアノ講師を務めながら、幼い頃からどっぷりハマっていた演劇愛を書き綴ったレビュー投稿が採用されたのをきっかけに演劇ライターに。途中今はなきパレット文庫の新人賞に引っかかり、小説書きに方向転換するも鬱病を発症して頓挫。長いブランクを経て社会復帰できたのは一重に演劇が、ライブの素晴らしさが力をくれた故。今はそんなライブ全般の楽しさ、素晴らしさを一人でも多くの方にお伝えしたい!との想いで公演レビュー、キャストインタビュー等を執筆している。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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