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初音ミク、文化のカンブリア爆発と現在地〜奇跡の3カ月(11)

「何でもあり」から生まれた文化的果実

丹治吉順 朝日新聞記者

ユーザー投票部門最優秀賞のスマートフォンゲームも

ゲーム分野では、スマートフォンゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ feat. 初音ミク」が、やはり10代〜20代に高い人気を持つ。

このゲームは、初音ミクをはじめとするボーカロイドや歌声合成ソフトによる楽曲を中心にしたリズムゲームとオリジナルストーリーを組み合わせた形式になっている。さまざまな境遇の中で悩みながら自分の進む道を切り開いていく5組の若者たちが織りなす物語が軸になっていて、初音ミクたちは、それぞれの若者たちの境遇に合わせた姿や性格で出現する。

リズムゲームで使われている楽曲は、これまでに発表されてきた既存曲が多い。この連載第1回に登場したOSTER projectさんの「ミラクルペイント」、第3回の鶴田加茂さんの「みくみくにしてあげる♪」など、2007年の楽曲もある。一方、このゲーム向けにオリジナル曲からも2作。「プロジェクトセカイ」は2020年の「Google Play ベスト オブ 2020」の「ユーザ投票部門ゲームカテゴリ」で最優秀賞を獲得した(Google Playはアンドロイドスマートフォン向けの公式アプリストア)。

ササノマリイさん作の「カナデトモスソラ」はバーチャルシンガー巡音ルカ、じんさん作詞作曲の「ステラ」は初音ミク、この二つのバーチャルシンガーに加え、このゲームの登場人物(声優)たちがボーカルを担当している。

カナデトモスソラ / 25時、ナイトコードで。 × 巡音ルカ

ステラ / Leo/need × 初音ミク

10代では知らない方が少ない「グッバイ宣言」

昨年2020年4月13日に公開されたChinozoさんの「グッバイ宣言」(歌唱:v_flower)は、今の10代で知らない人の方が少ないのではなかろうか。TikTokを中心にダンスを踊る動画などの派生が次々起こり、YouTubeでの再生数は6300万回を超えている。

グッバイ宣言 / FloweR

高校生が発表した大ヒット「KING」

同じく2020年8月2日の投稿から約1年のうちにYouTubeで3600万再生という数字をたたき出したKanariaさんの「KING」(歌唱:GUMI)も昨年最大の話題曲の一つだろう。この動画を公開したとき、作者のKanariaさんはまだ高校生だったそうだ。中学生や高校生が楽曲を発表することは珍しくなくなり、時に数百万、数千万の再生数を記録する。

【GUMI】KING【Kanaria】

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筆者

丹治吉順

丹治吉順(たんじよしのぶ) 朝日新聞記者

1987年入社。東京・西部本社学芸部、アエラ編集部、ASAHIパソコン編集部、be編集部などを経て、現在、オピニオン編集部・論座編集部。機能不全家庭(児童虐待)、ITを主に取材。「文化・暮らし・若者」と「技術」の関係に関心を持つ。現在追跡中の主な技術ジャンルは、AI、VR/AR、5Gなど。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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