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コロナ禍で高まる供養の気持ち、コロナ禍で進む葬送のパーソナル化

[11]全国生活者意識調査「コロナ禍と仏事」から見えてきた仏教の未来(下)

薄井秀夫 (株)寺院デザイン代表取締役

人はコロナ禍で供養をしたくなっている

 今回の調査で昨年の調査と比べて最も顕著だったのは、供養に関わる項目がどれもプラス傾向に変化していることである。

 例えば次の設問である。

 〈今年はコロナ禍で例年通りのお盆とはいきませんが、通常の年のお盆では、どんなことを行っていますか?(複数回答可)〉

 この設問に対して調査対象者には、16の選択肢から回答を選んでいただいている。概ね昨年と同じような分布をしていたが、その中で2つの選択肢が大きく数字を変化させていた。〈仏壇で亡くなった家族を供養する〉と〈お盆の期間、先祖を家に迎える〉である。それぞれ12.8ポイントアップの41.0%、7.8ポイントアップの23.5%である。

今年はコロナ禍で例年通りのお盆とはいきませんが、通常の年のお盆では、どんなことを行っていますか?(複数回答可)拡大【今年はコロナ禍で例年通りのお盆とはいきませんが、通常の年のお盆では、どんなことを行っていますか?(複数回答可)】

 また次の設問でも同様な傾向が出ている。

 〈これまで一周忌や三回忌などの法事に参加した時、儀式についてどのような印象を持ちましたか?(複数回答可)〉

 これに対する回答では、〈とても厳かな気持ちになった〉〈ありがたい気持ちになった〉と、儀式に対して好意的な印象を持つ人が、それぞれ7.8ポイントアップの48.0%、6.8ポイントアップの24.8%である。

これまで一周忌や三回忌などの法事に参加した時、儀式についてどのような印象を持ちましたか?(複数回答可拡大【これまで一周忌や三回忌などの法事に参加した時、儀式についてどのような印象を持ちましたか?(複数回答可)】

 一方、否定的な回答である〈儀式の間、どのようにしていればいいか戸惑った〉〈お坊さんには申し訳ないが、退屈だった〉〈あまり印象に無い〉は、それぞれ4.3ポイントダウンの8.8%、5.8ポイントダウンの8.8%、4.0ポイントダウンの16.8%であった。

 最初の設問では、仏壇で供養する、先祖を家に迎えると回答した人、つまり、死者や先祖とつながる行為をしている人が増えたということ、次の設問では、法事にいい印象を持つ人が増え、悪い印象を持つ人が減ったということだ。

 そして最も顕著に傾向があらわれたのは次の設問だ。

 〈法事(一周忌や三回忌など)において、何が大切だと思いますか?(複数回答可)〉

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筆者

薄井秀夫

薄井秀夫(うすい・ひでお) (株)寺院デザイン代表取締役

1966年生まれ。東北大学文学部卒業(宗教学専攻)。中外日報社、鎌倉新書を経て、2007年、寺の運営コンサルティング会社「寺院デザイン」を設立。著書に『葬祭業界で働く』(共著、ぺりかん社)、 『10年後のお寺をデザインする――寺院仏教のススメ』(鎌倉新書)、『人の集まるお寺のつくり方――檀家の帰属意識をどう高めるか、新しい人々をどう惹きつけるか』(鎌倉新書)など。noteにてマガジン「葬式仏教の研究」を連載中。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです