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再びの『ドン・ジュアン』に臨む!上口耕平インタビュー(上)

一番長い時間ドン・ジュアンを見つめているドン・カルロの心情を大切に

橘涼香 演劇ライター

 藤ヶ谷太輔がミュージカル初挑戦、初主演を務め大旋風を巻き起こしたミュージカル『ドン・ジュアン』が大阪・梅田芸術劇場 メインホール(10月7日~17日)、東京・TBS赤坂ACTシアター(10月21日~11月6日)にて待望の再演の幕を開ける。

 ミュージカル『ドン・ジュアン』はモリエールの戯曲や、モーツァルト作のオペラ『ドン・ジョヴァンニ』等で広く知られる「ドン・ジュアン伝説」を、フェリックス・グレイ作曲による情熱溢れる楽曲の数々でミュージカル化した作品。2004年にカナダで初演され、その後パリや韓国でも上演されて好評を博し、2016年宝塚歌劇団によって日本初上演を果たしている。

 物語の舞台はスペイン、アンダルシア。毎夜欲望の赴くままに酒と女性を求め続け、放蕩の限りを尽くす稀代の色男ドン・ジュアンが、いつしかめぐりあった真実の愛によって変貌し、だからこそ運命にもてあそばれていく様が描かれていく。今回の再演ではタイトル・ロールのドン・ジュアンに藤ヶ谷太輔、日本初演から演出を務める宝塚歌劇団の生田大和をはじめとした、多くの続投キャスト・スタッフに、ヒロインのマリアに元宝塚歌劇団雪組トップ娘役の真彩希帆、ドン・ジュアンの妻エルヴィラに『ロミオ&ジュリエット』のジュリエット役の記憶も新しい天翔愛、そしてアンダルシアの美女役にバレエ界の女王上野水香という、豪華な新キャストを迎え、更にパワーアップした舞台が期待されている。

 そんな舞台でドン・ジュアンを見守り続ける唯一の友ドン・カルロを演じる上口耕平が、再び臨む作品の魅力や、藤ヶ谷をはじめとした共演者、更に演出の生田の魅力などを語ってくれた。

地面を踏み鳴らすことによって色々な感情を表現している

上口耕平=森好弘 撮影拡大上口耕平=森好弘 撮影

──『ドン・ジュアン』待望の再演ですが、今、お稽古はどの程度まで進んでいるのでしょうか?(取材は9月上旬)

 今は歌稽古を済ませ、本読みをして、頭から順番に立ち稽古を進めているところです。

──新しいメンバーの方も入られましたが、いま新たなお稽古が進んでいるなかで、初演について思い出されることはありますか?

 やっぱりフラメンコの稽古をした時に「あ、そうだ、この体の状態だった」というのをすごく思い出しました。姿勢ひとつにしても、重心にしても、フラメンコって独特なんです。それを踊った時に、理屈抜きに思い出されるものがありましたね。

──ダンスが非常に得意でいらっしゃる上口さんにとっても、やはりフラメンコは全く違うものですか?

 全然違います。平間壮一くん、壮ちゃんともよく話すのですが、彼もダンスから入ってきていますけど、やっぱりフラメンコは特殊だよね、と言っています。ですからそれを体感したことによって、一気に蘇ってきたものがありました。

上口耕平=森好弘 撮影拡大上口耕平=森好弘 撮影

──そうした中で、今再び作品に向き合っていらっしゃるわけですが、改めてこの作品の魅力をどう感じていますか?

 やはりまずなんと言っても楽曲ですね。このミュージカルが他の作品と違うのは、ラテンのリズムがずっと流れていることで、そのリズムの中にキャッチーなメロディーがふんだんにある。燃えたぎるような曲がとても多いので、僕はまずその熱量を感じます。楽曲を聞いているだけで、そこからの場面進行を見ているだけで、簡単に言うと興奮してくるんですよ。自分の中からもエネルギーが湧いてくる、そういう大きな魅力があると思います。更にこの作品のテーマになると思うのですが、セビリアのあの地に住む今を生きている人達は、地面を踏み鳴らすことによって色々な感情を表現しているんです。自分を鼓舞したり、存在を表したり、悔しさ、哀しみ、感情の全てを。そういう土とつながっている人たち、それぞれの生きざまやエネルギーを、音楽とリンクしたダンスに感じられるのが、とても魅力的だなと思います。

◆公演情報◆
ミュージカル『ドン・ジュアン』
大阪:2021年10月7日(木)~17日(日) 梅田芸術劇場 メインホール
東京:2021年10月21日(木)~11月6日(土) TBS赤坂ACTシアター
公式ホームページ
[スタッフ]
作詞・作曲:フェリックス・グレイ
潤色・演出:生田大和(宝塚歌劇団)
[出演]
藤ヶ谷太輔/真彩希帆/平間壮一、上口耕平、天翔 愛/吉野圭吾、上野水香(東京バレエ団)、春野寿美礼/鶴見辰吾 ほか


〈上口耕平プロフィル〉
2002年、TVドラマ『ごくせん』で俳優デビュー。高校時代から数々のダンスコンテストに入賞し、キレのあるダンスには定評がある。近年はミュージカルを中心にジャンルを問わず活躍中。近年の主な舞台出演作品は、『メリリー・ウィー・ロール・アロング』、『屋根の上のヴァイオリン弾き』、『RENT』、『ウエスト・サイド・ストーリー』Season2、『アンクル・トム』、『BACKBEAT』、『ダンス オブ ヴァンパイア』、『ブルームーン』、『スカーレット・ピンパーネル』、『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』など。
上口耕平オフィシャルファンサイト
上口耕平オフィシャルtwitter

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筆者

橘涼香

橘涼香(たちばな・すずか) 演劇ライター

埼玉県生まれ。音楽大学ピアノ専攻出身でピアノ講師を務めながら、幼い頃からどっぷりハマっていた演劇愛を書き綴ったレビュー投稿が採用されたのをきっかけに演劇ライターに。途中今はなきパレット文庫の新人賞に引っかかり、小説書きに方向転換するも鬱病を発症して頓挫。長いブランクを経て社会復帰できたのは一重に演劇が、ライブの素晴らしさが力をくれた故。今はそんなライブ全般の楽しさ、素晴らしさを一人でも多くの方にお伝えしたい!との想いで公演レビュー、キャストインタビュー等を執筆している。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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