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加藤和樹インタビュー(上)

アーティストデビュー15周年記念アルバム『K.KベストセラーズⅡ』リリース

真名子陽子 ライター、エディター

 役者、声優、そしてアーティストとして活躍中の加藤和樹が今年、アーティストデビュー15周年を迎え、それを記念して、『加藤和樹 アーティストデビュー15周年メモリアルフォトブック「K」』を発売、そして、アルバム『K.KベストセラーズⅡ』がリリースされた。デビューしてからの15年の軌跡を辿る2枚組のアルバムで、DISC1はファンの方からリクエストを元に加藤自身がセレクトしたセルフカバー楽曲で構成され、DISC2は名曲のカバー曲をピアノだけで歌うアコースティック・スタイルで新たな加藤和樹が堪能できる。ともに一発録りで録音され、ライブ感あふれるダイナミックな音源になっている。

 また、現在ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』に二役で出演中の加藤。その後にはライブツアーが予定されており、そして、12月にはミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』への出演と、アーティスト、そして役者として、15周年を目まぐるしく駆け抜けていく。すべては応援してくれているファンの方に喜んでもらうためと言い切る加藤に、15周年の思いを聞いた。

このままでは帰れないから辞めなかった

加藤和樹=久保秀臣 撮影拡大加藤和樹=久保秀臣 撮影

――アーティストデビュー15周年おめでとうございます。その15年を振り返ってみていかがですか?

 ありがとうございます。名古屋から上京して18年になるので、ちょうど人生の半分を東京で過ごしているんですけど、そのタイミングで15周年を迎えるのはとても感慨深いですし、15年という月日は長いなと感じます。でも子どもの頃の15年より、大人になってからの15年のほうが体感的にはすごく早いなと感じますね。ついこの間まで30歳だったのにって思う自分もいます。

――あっという間でしたか?

 あっという間でしたね。気持ちは若くいるつもりなんですけれども、年齢だけがどんどん重なっている感覚があります。自分が思い描いていた36歳はもっと大人のイメージでしたから。えっ!俺36歳、うそでしょ?っていう感覚がどうしても拭いきれないですね。なんだろう、自分の中に持っているイメージがあるんでしょうね。

――その15周年を記念して出版された『加藤和樹 アーティストデビュー15周年メモリアルフォトブック「K」』を拝読させてもらいましたが、隠したいであろうことも正直に赤裸々に綴られていて、ここまでさらけ出されていることに感動しました。生まれた時のことから綴られていますが、15周年に限ってお伺いすると、上京後、結構キツイ体験をされて一度芸能界を離れたけれど、それでも辞めなかった。だから今の加藤和樹さんに出会えたのですが、辞めない選択をした理由は何でしょう?

 単純にこのままでは帰れないという意地と、やっぱり負けず嫌いなところもあって、何かを成さないと帰れないなと。あまり他人と比べることはしないけれど、でもどこかで比べていて、仕事が決まっていく仲間を羨ましく思う自分がいましたね、振り返ってみると。ファンの子たちが見ている前でストリートダンスをやっている友達がとても眩しく見えて、自分もそちら側に行きたいという思いがありました。でも自分は踊れないし、ダンスがやりたいかというとそういうわけでもないし……。

――そのダンスチームにずっと付いて回っていたそうですね。今回マネージャーさんにもお話を伺うことができたのですが、当時は全然しゃべらない人だったと聞きました。

 大人が苦手だったんです。バイト先の先輩は信頼できたけれど、仕事で接する大人に対してすごく苦手意識がありました。当時の事務所の社長には自分を拾ってくれて感謝していますが、こうしなさい、ああしなさいと言われることに、時々自分は物なのかなって思う瞬間があって。「俳優の卵です」と紹介されることも恥ずかしくて嫌でしたね。まだ何者でもないのに決めつけられている感じがあって。

こんな自分でも何かできることがあるかもしれない

加藤和樹=久保秀臣 撮影拡大加藤和樹=久保秀臣 撮影

――でも当時は何かになりたいと思って上京されたんですよね。俳優や歌手になりたいという思いはなかったんですか?

 なかったですね。やりなさいと言われた事を言われるがままにやっていました。それが嫌だったわけでもなく、ただ当時は何もわからなかったし、知らなかったんです。レッスンへ行けば同じ志を持った人たちがいたので、仲良くなって楽しかったですし、これでいいのかなぁと思いながらも言われたことをやっていました。ただ、モデルになりたい、役者になりたい、アーティストになりたいと、目標のある人たちの中で、自分は目標がなかったんです。

――あえて目標を持たなかったのでしょうか?

 とりあえず、目の前のことをこなしていく日々でした。オーディションを受けよう、今日のレッスンの課題をクリアしよう、と一歩ずつ進んでいる感じで、先の目標までは持てなかったですね。その日を生きることで精一杯だったんですよ。右も左もわからない東京で覚えないといけないこともたくさんあって。でも時間はあったのでバイトの面接へ行ったり、ジムに通わせてもらっていたのでトレーニングをしたり、自転車で探索したり。

――そうして過ごしているうちに歌を歌いたいという思いが出てきたんですか?

 今思えば、歌いたいという思いはずっとあったんだと思います。学生時代から歌うことが好きで、カラオケに行かない日はなかったんじゃないかなあ。上京してからもバイト仲間と行くのはほとんどカラオケでしたから。

――何を歌っていたんですか?

ほとんどJ-Popでしたがアニソンも歌っていましたね。お世辞にもうまいと言われたら気持ちよく歌えるじゃないですか。歌手を目指せるレベルかどうかは置いておいて、歌うのが楽しいという気持ちはずっとあったので、歌えるチャンスが目の前に来たときにその思いがつながりました。こんな自分でも何かできることがあるかもしれないと。

◆リリース情報◆
15周年記念アルバム『K.KベストセラーズⅡ』発売中!
初回限定盤:アルバムCD(2枚組)+60Pフォトブック
通常盤:アルバムCD(2枚組)
公式ホームページ

◆ライブ情報◆
Kazuki Kato Piano Live Tour 2021
Petit VOICEFUL WORLD TOUR 2021(※ファンクラブ会員限定)
Kazuki Kato Live “GIG” Tour 2021-REbirth-
※詳細はホームページでご確認ください
公式ホームページ


◆公演情報◆

ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』
東京:2021年9月9日(木)~9月29日(水) 日生劇場
大阪:2021年10月8日(金)~10日(日) フェニーチェ堺 大ホール
公式ホームページ
[スタッフ]
作曲:Vaso Patejdl
作詞:Eduard Krecmar
脚本:Ivan Hejna
演出:白井晃
[出演]
ダニエル:木村達成・小野賢章(Wキャスト)
アンダーソン:加藤和樹・松下優也(Wキャスト)
ジャック:加藤和樹・堂珍嘉邦(Wキャスト)
グロリア:May’n
ポリー:エリアンナ
モンロー:田代万里生 ほか


〈加藤和樹プロフィル〉
2005年ミュージカル『テニスの王子様』で脚光を浴びる。翌年Mini Album「Rough Diamond」でCDデビュー。2009年には韓国、台湾、中国でCDデビューを果たし、音楽活動と並行し、舞台・ミュージカル・映像作品にも多数出演。俳優・声優としても活躍の場を広げている。近年の主な出演作品は、『マタ・ハリ』、『BARNUM』、『ローマの休日』、『フランケンシュタイン』、『ファントム』、『怪人と探偵』、『BACKBEAT』、『暗くなるまで待って』、project K『僕らの未来』など。第46回菊田一夫演劇賞 演劇賞を受賞。2021年12月に『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』、2022年2月~3月に『冬のライオン』への出演が決まっている。
オフィシャルサイト
公式twitter

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筆者

真名子陽子

真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター

大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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