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『鬼滅の刃』は現代版「能」である~見えないものを見る力を刺激する物語

野菜さらだ コラムニスト/言語聴覚士

 あちらこちらで、「学校の先生方はオンライン授業がまだうまくできないのは周回遅れではないか」、そう訴えている(「オンライン授業拡大の中で浮き彫りになる「変われない公立学校教育」」「論座」)私が完全に周回遅れになっていたものがある。

 あの「鬼滅の刃」だ。

映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編』は、2020年の年間興行収入世界第1位となった拡大映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編』は、2020年の年間興行収入世界第1位となった

 コロナ禍にもかかわらず、昨年(2020年)公開された映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が大人気だという連日の報道。そこまで言われるものならば……と、1年前にテレビ番組のネット配信で第1話だけを見てみたが、最初でくじけた。主人公の一家が鬼に惨殺され、唯一生き残った妹も鬼と化してしまうという物語の前提となる部分だ。

 「最初を見ておかないとわからないだろう」とその話は最後まで見たが、それでも正直なところ、どこが面白いのか、さっぱりわからなかった。実は私の弟も全く同じで、第1話で完全に挫折したと言っていた。同じように感じている人は他にもいるらしい。

 「何がそんなに人々を惹き付けるのか?」

 その理由がわからないまま、月日は流れた。そして、この9月にその映画が地上波で放送されるというのを知り、「それならば」と番組録画予約をした。

 放映翌日のツイッターでは、「鬼滅の刃」の登場人物の一人の名前がツイッターのトレンドワード1位となったことに加えて「CM多すぎ」などの言葉もつぶやかれていたことを知った(「デイリー」2021年9月25日)。


筆者

野菜さらだ

野菜さらだ(やさいさらだ) コラムニスト/言語聴覚士

本名・三田地真実(星槎大学大学院教育学研究科教授) 教員、言語聴覚士として勤務後、渡米。米国オレゴン大学教育学部博士課程修了(Ph.D.)。専門は応用行動分析学・ファシリテーション論。2016年からオンライン会議システムを使ったワークショップや授業を精力的に行っている。著書に『保護者と先生のための応用行動分析入門ハンドブック』など。教育雑誌連載と連動した 「教職いろはがるた」の動画配信中!

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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