中野晴行(なかの・はるゆき) フリーライター、編集者
1954年生まれ。フリーライター、編集者。『マンガ産業論』で日本出版学会賞奨励賞、『謎のマンガ家 酒井七馬伝』で日本漫画家協会賞特別賞を受賞。著書に『やなせたかし――愛と勇気を子どもたちに』(あかね書房)、編著に『異形の未来 現代マンガ選集 (ちくま文庫)など。現在『夕刊フジ』で連載コラム「マンガ探偵局がゆく」を執筆中。
※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです
劇画家さいとう・たかをが9月24日にすい臓がんのために亡くなった。享年84。
最初に訃報を知ったのは、この原稿の依頼メールだった。にわかには信じることができず、「嘘でしょ」と返信した。
コロナ禍で、去年今年はお会いできていなかったが、この20年ばかりは年に数度、インタビューやパーティでお会いしていたから、まさかという気持ちが強かったのだ。
昨年(2020年)、新型コロナウイルス感染対策のために、52年間休まず連載を続けていた『ゴルゴ13』を休載した時も、お元気な証拠と安心していた。休載明けから『ゴルゴ13』は休まず連載されていたし、この7月には『ゴルゴ13』の単行本201巻が「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」としてギネス世界記録に認定されて、新聞などに喜びのコメントが掲載されていた。また、同月にはゴルゴが信頼を寄せる銃器職人(ガンスミス)デイブを主人公にした連載劇画『銃器職人・デイブ』が初のスピンアウト作品としてスタート(『ビッグコミック8月増刊号』)するなど創作面でもお元気な様子で、あと10年くらいは現役で描き続けてもらえると思っていた。
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