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『ONODA』アラリ監督に聞く~「小野田寛郎は神話を生きた複雑な人物」

フランス人が撮ったことを忘れさせる純粋な映画を作る

林瑞絵 フリーライター、映画ジャーナリスト

 高度経済成長が終わり社会が転換期を迎えた1974年。戦時からタイムスリップしたように姿を現したのが、旧陸軍少尉・小野田寛郎だ。陸軍中野学校で特殊訓練を受けたのちフィリピンのルバング島に派遣、やがてジャングルに身を潜めた。敗戦を認められず、見えない敵と戦い続けた孤独な30年。国民は「最後の日本兵」を万感の思いで迎えたことだろう。

日航特別機から姿を見せ手を振る小野田寛郎さん 1974年3月12日拡大日本に帰国した小野田寛郎さん=1974年3月12日

 あれからもうすぐ半世紀。この特異な環境を生き抜いた実在の人物を、フランス人監督が映画『ONODA 一万夜を越えて』の主役に据えた。2年ぶりに開催されたカンヌ国際映画祭では「ある視点」部門のオープニング作品としてスタンディング・オベーションで迎えられ、日本でも10月8日から全国公開される。本作で長編2作目となる気鋭のアルチュール・アラリ監督が制作の裏側を語る。

『ONODA 一万夜を越えて』 10月8日(金)全国公開 配給:エレファントハウス ©bathysphere ‐ To Be Continued ‐ Ascent film ‐ Chipangu ‐ Frakas Productions ‐ Pandora Film Produktion ‐ Arte France Cinéma拡大『ONODA 一万夜を越えて』 10月8日(金)全国公開 配給:エレファントハウス ©bathysphere ‐ To Be Continued ‐ Ascent film ‐ Chipangu ‐ Frakas Productions ‐ Pandora Film Produktion ‐ Arte France Cinéma

筆者

林瑞絵

林瑞絵(はやし・みずえ) フリーライター、映画ジャーナリスト

フリーライター、映画ジャーナリスト。1972年、札幌市生まれ。大学卒業後、映画宣伝業を経て渡仏。現在はパリに在住し、映画、子育て、旅行、フランスの文化・社会一般について執筆する。著書に『フランス映画どこへ行く――ヌーヴェル・ヴァーグから遠く離れて』(花伝社/「キネマ旬報映画本大賞2011」で第7位)、『パリの子育て・親育て』(花伝社)がある。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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