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佳子さまなら眞子さまを超えられる──皇族と一個人を両立させる道

矢部万紀子 コラムニスト

 秋篠宮家の次女佳子さまが「第8回全国高校生手話パフォーマンス甲子園」の開会式(10月3日、鳥取県)に寄せたビデオメッセージを見た。

 「本大会の資料で、各チームの思い、伝えたいテーマ、見所などを読み、どのような舞台が出来上がったのかを、想像してまいりました。このあと動画で発表される、パフォーマンスを、楽しみにしております」

 手話に合わせ、言葉を区切り、ゆっくりと話す佳子さま。「楽しみにしております」の時は「にこやかな表情」から「つい笑ってしまう」感じをにじませる。佳子さまらしさは消えてないなと、少しほっとする。

「第8回全国高校生手話パフォーマンス甲子園」をオンラインで視聴する秋篠宮家の次女佳子さま=2021年10月3日午前9時30分、秋篠宮御仮寓所(ご・か・ぐう・しょ)、宮内庁提供拡大「第8回全国高校生手話パフォーマンス甲子園」をオンラインで視聴する佳子さま=2021年10月3日、秋篠宮御仮寓所、宮内庁提供

 なぜかというと、姉の眞子さまだ。長く切望していた小室圭さんとの結婚を10月1日、やっと宮内庁が発表した。儀式なし、一時金も辞退、そして同時に明かされたのが複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)という病名。短くまとめるなら、眞子さまは「皇族としての結婚」を捨て、心の病まで得て、それでやっと好きな人と結婚するのだ。仲のいい妹としては、思い切り暗くなっていいタイミングでのメッセージだった。

 加えて勝手に心配しているのが、9月6日に共同通信が報じたニュースだ。「天皇ご一家と4宮家存続の構想 政府、女性皇族が継ぐ案を想定」という見出しで、「秋篠宮家の長女眞子さま(29)の年内結婚、皇籍離脱に絡み、皇族数確保策として天皇ご一家と現存の4宮家を存続させる構想が政府内にあることが分かった」という。

 要は「結婚後も天皇ご一家に愛子さま(19)が、秋篠宮家には佳子さま(26)が残る」という記事で、「本人の意向に最大限配慮する内容とすることを想定している」ともある。とはいえ、「皇室の『現体制』を保ち、秋篠宮家の長男悠仁さま(15)の即位後も皇室全体で支えられるようにする狙いがある」と締め括っている。佳子さま、断りにくいだろうなと思い、心がざわつく。

 佳子さまは2019年、国際基督教大学(ICU)卒業にあたって公表した文書で、眞子さまの結婚について「姉の一個人としての希望がかなう形になってほしいと思っています」と述べた。姉への思いに加え、「皇室を出て自由になる」ことへの共感だと拝察していた。

 だから共同通信が伝える「構想」を、佳子さまは歓迎しないのでは、と心配なのだ。

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筆者

矢部万紀子

矢部万紀子(やべ・まきこ) コラムニスト

1961年生まれ。83年、朝日新聞社に入社。宇都宮支局、学芸部を経て、週刊誌「アエラ」の創刊メンバーに。その後、経済部、「週刊朝日」などで記者をし、「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理、書籍編集部長などをつとめる。「週刊朝日」時代に担当したコラムが松本人志著『遺書』『松本』となり、ミリオンセラーになる。2011年4月、いきいき株式会社(現「株式会社ハルメク」)に入社、同年6月から2017年7月まで、50代からの女性のための月刊生活情報誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長をつとめた後、退社、フリーランスに。著書に『美智子さまという奇跡』(幻冬舎新書)、『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』(ちくま新書)。最新刊に『雅子さまの笑顔――生きづらさを超えて』(幻冬舎新書)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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