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都道府県「魅力度ランキング」にぬか喜び・落胆するのはほどほどに!

世間で行われる“アンケート調査”への疑問

杉田聡 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)

サンプルを無作為・等確率で抽出する

茨城県がホームページで公開した「魅力度最下位の過ごし方」の表紙。観光地袋田の滝の前にいるのは茨ひより=同県提供拡大茨城県がホームページで公開した「魅力度最下位の過ごし方」の表紙。観光地「袋田の滝」の前にいるのはバーチャルYouTuberの茨ひより=茨城県提供
 総じて調査の対象としたい人全員に調査票を送れるなら、問題は少ない。例えば、学校でクラスの生徒全員からアンケートをとる場合など。これを全数調査という。

 だが、対象者全員に調査票を送ることが、経費的にも時間的にも不可能なほどに集団が大きい場合にはどうするか。その集団(これを母集団という)の内から、一部の人(これを標本あるいはサンプルという)を、学問的に確立した手法によって抽出した場合には、彼らを母集団の縮図と見なすことができる。こうした調査法を標本調査という。

 例えば内閣支持率を確かめる場合、母集団は日本の有権者全員である。全員に調査票は送れないため、その内から抽出した一定数のサンプル──サンプル数を増やせば精度は高まるが、統計学的には多ければよいというものではない──に送るが、サンプルは無作為で、かつ等しい確率で抽出しなければならない。

抽出法の一例をあげてみる

 母集団が有権者全員だと話が面倒になるので、小さな自治体(有権者1万人)を例にして、よく使われる手法を簡単に紹介する。

 1万人の意見を調べるために100人のサンプルを抽出するとする。そのためには、まず母集団に1番~1万番の通し番号をつける。そして乱数表(無作為性が担保されればサイコロでも可)を使って1番~100番の内から1人を選ぶ。それが25番だったとしよう。次は残り99人を選ぶために25番に100ずつ数字を足して行き、125番、225番……9925番の人をサンプルとする(この手法を等間隔抽出法という)。

 これが、学問的に確定された抽出法の例である。

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筆者

杉田聡

杉田聡(すぎた・さとし) 帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)

1953年生まれ。帯広畜産大学名誉教授(哲学・思想史)。著書に、『福沢諭吉と帝国主義イデオロギー』(花伝社)、『逃げられない性犯罪被害者——無謀な最高裁判決』(編著、青弓社)、『レイプの政治学——レイプ神話と「性=人格原則」』(明石書店)、『AV神話——アダルトビデオをまねてはいけない』(大月書店)、『男権主義的セクシュアリティ——ポルノ・買売春擁護論批判』(青木書店)、『天は人の下に人を造る——「福沢諭吉神話」を超えて』(インパクト出版会)、『カント哲学と現代——疎外・啓蒙・正義・環境・ジェンダー』(行路社)、『「3・11」後の技術と人間——技術的理性への問い』(世界思想社)、『「買い物難民」をなくせ!——消える商店街、孤立する高齢者』(中公新書ラクレ)、など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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