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眞子さんと小室圭さんの結婚問題には、譲れない「規範」がある

三島憲一 大阪大学名誉教授

 数日前に、編集部から皇室の眞子さんと小室圭さんの結婚問題について考えるところをなにか、という原稿の依頼をいただいたときに、これはとても必要枚数は書けないな、と思ったものだ。

 なぜなら、女性と男性が、それもまだ若い二人が結婚したいと言ったときに、それにとやかく言うのは、「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」するという憲法24条の精神に反することは歴然としているからだ。この規定は、相手の親の出身地や、あるいは階層や職業、さらには人種(嫌な言葉だが)や宗教を理由に妨害することも含めて、まわりがとやかく言ったり、阻止したりするものではない、ということを含んでいるはずだ。

30歳の誕生日を迎えた秋篠宮家の長女眞子さま=2021年10月20日、赤坂御用地、宮内庁提供 拡大賛否両論が飛び交うなか、10月26日に結婚した秋篠宮家の長女・眞子さん=2021年10月20日、赤坂御用地、宮内庁提供

 だいいち、憲法を持ち出すまでもなく、相手の親がどうだとか、財産や借金がどうだとかいうのは、それを囃(はや)し立てるメディアも含めて、人間の品格としていかがなものか。自分のときに、あるいは自分の子供の時にそういう横槍が入ったらどういう気がするだろうか、と考えただけでも、答えはあきらかなはずだ。現代は身分制社会ではない。

 これ以上書くことはない。せめてパパラッチ・モードのメディアの批判でもするか。でもそれは、多くの人が私などよりもっと巧みに言っているし、これ以上書くことはない。今回の原稿依頼はお断りしようか、と思った。それに、筆者にはまったく興味が湧かない。

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筆者

三島憲一

三島憲一(みしま・けんいち) 大阪大学名誉教授

大阪大学名誉教授。博士。1942年生まれ。専攻はドイツ哲学、現代ドイツ政治の思想史的検討。著書に『ニーチェ以後 思想史の呪縛を超えて』『現代ドイツ 統一後の知的軌跡』『戦後ドイツ その知的歴史』、訳書にユルゲン・ハーバーマス『近代未完のプロジェクト』など。1987年、フィリップ・フランツ・フォン・ジーボルト賞受賞、2001年、オイゲン・ウント・イルゼ・ザイボルト賞受賞。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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