眞子さんの会見で、前田敦子さんの名言「私のことは嫌いでも…」を思い出す
元皇族の立場より「一人の人」として自分を優先する、という“決意”
矢部万紀子 コラムニスト
10月26日、小室眞子さんと小室圭さんの記者会見をテレビで見て、前田敦子さんの名台詞を思い出した。2011年、「AKB選抜総選挙」で「私のことは嫌いでも、AKBのことは嫌いにならないでください」と叫んだ前田さん。「私のことは嫌いでも、皇室は嫌いにならないでください」。そんな眞子さんの心の叫びを、会見から感じたのだ。

AKB選抜総選挙で「私のことは嫌いでも、AKBのことは嫌いにならないでください」と涙ながらに発言した前田敦子さん=2011年6月9日
最初に眞子さんがコロナ禍についての「お見舞い」と「感謝」を述べた後、本題に入った。眞子さんは「これまで、お優しいお導きのもと、皇族としての仕事を、自分なりにできる限り大切に果たそうと努めてまいりました」と述べた。
不思議な文章だと思った。「お優しいお導き」とあるが、誰による導きなのかがわからない。普通なら「天皇、皇后両陛下の」または「天皇、皇后両陛下ならびに上皇、上皇后両陛下の」お優しいお導き、とするところだろう。
が、そういう言及はないまま、30年間の感謝を語り、結婚に話を進めた。「様々な考え方があることは承知しております」とし、「私にとって圭さんはかけがえのない存在です。そして、私たちにとって結婚は、自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択でした」と述べた。
ここで気づいたのが、「お気持ち」との重複だ。20年11月に眞子さま(当時、とするのも不自然なので、以後は「眞子さん」とする)が公表したもので、「お気持ち」にはこうあった。
「私たちにとっては、お互いこそが幸せな時も不幸せな時も寄り添い合えるかけがえのない存在であり、結婚は、私たちにとって自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択です」
「かけがえのない存在」「自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択」という表現を再び使うことで、2人の気持ちはずっと同じだと訴えているのだと思った。