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木村達成インタビュー(下)、KERA CROSS ver.4『SLAPSTICKS』出演

演じることは役を生ききること

橘涼香 演劇ライター


木村達成インタビュー(上)

プライベートで役柄の疑似体験をしにいっている

──2022年にデビュー10年を迎えられると伺っていますが。

 らしいですね(笑)。

──らしい、という感覚ですか?

 いや、なんと言うか、10年もやったのかとはもちろん思いますよ。10年やってこられた自分を褒めたいですし、10年間も支え続けてくれた皆様にありがとうとお伝えしたいのは本当の気持ちです。ただ、ひとりの人生と考えると、たかだか10年というのも確かなので、ここから20年30年と続けていけるように、しっかり基盤を作っていきたいなと思うんです。だから10年というのはまだ一歩、ここから始まるというイメージです。もちろん喜ばしいことですが、自分の中ではまだ「やった!」というような気持ちはないですね。

木村達成=宮川舞子 撮影〈ヘアメイク:齊藤沙織・スタイリスト:部坂尚吾(江東衣裳) ニット¥74,800 (HEUGN / IDEAS 03-6869-4279)、トラウザーズ¥35,200(texnh / canall 03-6823-5859)〉拡大木村達成=宮川舞子 撮影〈ヘアメイク:齊藤沙織・スタイリスト:部坂尚吾(江東衣裳) ニット¥74,800 (HEUGN / IDEAS 03-6869-4279)、トラウザーズ¥35,200(texnh / canall 03-6823-5859)〉

──そうなんですね。そのなかで近年、「音楽劇『銀河鉄道の夜2020』」のジョバンニ、『プロデューサーズ』のカルメン・ギア、『The Last 5 Years』のジェイミー 、『ジャック・ザ・リッパー』のダニエルと、非常にふり幅の広い大きな役柄を次々と演じられてきましたが、そうしたご経験から演じるということに対して変化はありましたか?

 それこそデビューして来年でやっと10年という僕のようなキャリアで、演じるとは?みたいなことは、まだとても言えないですが、例えばカルメン・ギアのような役柄の時には、漫画のキャラクターを演じる時の感覚に近いものはあったのかなとは思います。ただ、外見だけを作っても嘘になってしまうし、内面とリンクしていなければおかしな話なので、ひとりの人物を構成していく過程では、僕自身の日常生活の動きがどうしても出たりはするんですね。その分やはり、日常からカルメン・ギアの動き方を意識的に身につけるようにはしていたと思います。

──役柄の動きをプライベートでも意識していたということでしょうか?

 そうですね。

──そんなに簡単に括らないでと感じられたら申し訳ないのですが、『The Last 5 Years』のジェイミーのような、もう少し現実的なのかな?と思う役柄の時はどうですか?

 あ~でも『The Last 5 Years』のジェイミーの時には、もうプライベートがずたずたになっていったような気がするんですよ。舞台上でそうなる人間を演じるが故になのかな。本当にそうなのかは分からないですが、やっぱりプライベートがリンクしていくんです。

木村達成=宮川舞子 撮影〈ヘアメイク:齊藤沙織・スタイリスト:部坂尚吾(江東衣裳) ニット¥74,800 (HEUGN / IDEAS 03-6869-4279)、トラウザーズ¥35,200(texnh / canall 03-6823-5859)〉拡大木村達成=宮川舞子 撮影〈ヘアメイク:齊藤沙織・スタイリスト:部坂尚吾(江東衣裳) ニット¥74,800 (HEUGN / IDEAS 03-6869-4279)、トラウザーズ¥35,200(texnh / canall 03-6823-5859)〉

──演じている役にプライベートも影響される?

 自分が経験し得ないことを想像して芝居をしていても、なかなかリアリティを感じられないので、わざと自分のプライベートで疑似体験をしにいっているのかな?とは思いますね。どういう疑似体験をしたのかはご想像にお任せします(笑)。じゃあ、『ジャック・ザ・リッパー』のダニエルを演じている間に、何をしたのか!?ってなりますね(爆笑)。

──あぁ、はい、そうですね(笑)。

 まぁ、でも『ジャック…』の公演中は、少し攻撃的にはなっていたんじゃないかな?とは思いますけど(笑)。『銀河鉄道の夜』の時には少し悲観的というか、ナイーブでセンシティブになっていた気がしますし。

◆公演情報◆
KERA CROSS ver.4『SLAPSTICKS』
東京:2021年12月25日(土)~12月26日(日) シアター1010
大阪:2022年1月8日(土)~1月10日(月) サンケイホールブリーゼ
福岡:2022年1月14日(金)~1月16日(日) 博多座
愛知:2022年1月28日(金) 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
東京:2022年2月3日(木)~2月17日(木) シアタークリエ

公式ホームページ
[スタッフ]
作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
演出:三浦直之(ロロ)
[出演]
木村達成、桜井玲香、小西遼生
壮一帆、金田哲(はんにゃ)、元木聖也、黒沢ともよ、マギー ほか

〈木村達成プロフィル〉

2012年、ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズンでデビュー。主な出演作品は、『ジャック・ザ・リッパー』、『The Last 5 Years』、『プロデューサーズ』、音楽劇『銀河鉄道の夜2020』、『ファントム』、『エリザベート』、『ロミオ&ジュリエット』など。2022年5月にミュージカル『四月は君の嘘』への出演が決まっている。
公式ホームページ

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筆者

橘涼香

橘涼香(たちばな・すずか) 演劇ライター

埼玉県生まれ。音楽大学ピアノ専攻出身でピアノ講師を務めながら、幼い頃からどっぷりハマっていた演劇愛を書き綴ったレビュー投稿が採用されたのをきっかけに演劇ライターに。途中今はなきパレット文庫の新人賞に引っかかり、小説書きに方向転換するも鬱病を発症して頓挫。長いブランクを経て社会復帰できたのは一重に演劇が、ライブの素晴らしさが力をくれた故。今はそんなライブ全般の楽しさ、素晴らしさを一人でも多くの方にお伝えしたい!との想いで公演レビュー、キャストインタビュー等を執筆している。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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