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May J.インタビュー(下)、ミュージカル『ボディガード』で初主演

大ヒット作品に巡り合うと、いろんな意味で人生が変わる

小野寺亜紀 演劇ライター、インタビュアー


May J.インタビュー(上) 

1幕ではディーバらしくワガママな感じを出して、落差を大きく

――May J.さんが演じられるレイチェル・マロンは、フランクはもちろん、仕事で関わる人々、姉のニッキー、息子のフレッチャーなど色々な役とのお芝居がありますが、特に印象的なところはありますか?

 彼女がディーバらしくフランクをあしらう感じが、普段私にはできないので楽しそうだなと思いました。マネージャーにもきつく当たるなど、すごくディーバらしいですよね。

――普段のMay J.さんは、どんな感じなのでしょうか!?

 私は温和というか、対立を避ける人間です(笑)。だから「レイチェルはなんであんなに怒っているんだろう」とか思うところはありますね。やっぱりレイチェルって大スターで、そこから私とは全く違います! でも歌手としてすごく共感できる部分もありました。もしかしたらストーカーがライブ会場の中にいるかもしれない、という危険の中で、レイチェルが「何があっても自分はファンのために歌を届けるんだ」という気持ちで歌うシーンがありますが、どんな状況でも必ず歌う、という歌手としてのプロ意識、プライドの部分はやっぱり共通しているなと感じました。

May J.=久保秀臣 撮影拡大May J.=久保秀臣 撮影

――まだ稽古に入られる前ですが、今の時点でどのようなレイチェルを演じたいと思いますか?

 スターとしての貫禄はもちろん、シングルマザーとしての強さもないといけない。彼女の唯一の幸せが、息子だと思うんです。女性としての芯の強さを表現できたらと思います。

――母親役は大きな挑戦ですか?

 はい、私は子どもがいないですし、わからないことがたくさんあるので、色々リサーチしたいと思います。

May J.=久保秀臣 撮影拡大May J.=久保秀臣 撮影

――この作品はラブストーリーとしても有名ですが、そのあたりはいかがですか。

 レイチェルは1幕では完全にフランクに興味がないんですよ。すごく冷たい態度で、それこそディーバらしい(笑)。そして徐々に自分の心を開いていく。あんなにフランクのことを嫌っていたのに、「あなたがいなくては生きていけない!」というぐらいの、心の変化がとてもおもしろいなと。その落差、嫌味なふうにも見えるところと、レイチェルの女性らしく可愛らしいところの両方を見れるのが、この作品の魅力だなと思います。

――そこを演じるうえで、工夫されたいことはありますか?

 1幕ではとことんディーバらしく、態度が大きくワガママな感じを、できる限り出していきたいです。落差が大きい方が感動も生まれると思うので頑張りたいです。

――フランク役は初演に引き続き大谷亮平さんが演じられますね。

 大谷さんはテレビでしか拝見したことがなくて、まだお会いできてないのですが、ボディガードのイメージにぴったりだなと思います。なんだか、人の秘密を喋らなさそうな、秘密を守りそうな感じがすごくします! 紳士的ですよね。

◆公演情報◆
ミュージカル『ボディガード』
大阪:2022年1月21日(金)~31日(月) 梅田芸術劇場メインホール
東京:2022年2月8日(火)~19日(土) 東京国際フォーラム ホールC
公式ホームページ
公式Twitter
ワーナー・ブラザース映画「The Bodyguard/ボディガード」
(1992年米国1993年日本公開 ホイットニー・ヒューストン、ケビン・コスナー主演)
[スタッフ]
原作:ローレンス・カスダン
脚本:アレクサンダー・ディネラリス(「バードマン」でアカデミー賞受賞)
訳詞:森雪之丞
翻訳:阿部のぞみ
編曲:クリス・イーガン
演出・振付:ジョシュア・ベルガッセ
[出演]
柚希礼音・新妻聖子・May J.(トリプルキャスト)、大谷亮平/AKANE LIV、入野自由、猪塚健太、大山真志/内場勝則 ほか

〈May J.プロフィル〉
日本、イラン、トルコ、ロシア、スペイン、イギリスのバックグラウンドを持ち、幼児期よりダンス、ピアノ、オペラを学び、作詞、作曲、ピアノの弾き語りもこなす。2006年メジャーデビュー。2014年公開のディズニー映画『アナと雪の女王』の日本版主題歌「レット・イット・ゴー~ありのままで~」(エンディング)を担当。同年の第65回NHK紅白歌合戦に初出場。2008年より、NHK WORLDの海外向け音楽番組「J-MELO」のメインMCを担当。

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筆者

小野寺亜紀

小野寺亜紀(おのでら・あき) 演劇ライター、インタビュアー

大阪府出身。幼い頃から舞台をはじめ、さまざまなエンターテインメントにエネルギーをもらい、その本質や携わる人々の想いを「伝える」仕事を志す。関西大学文学部卒業後、編集記者を経て独立。長年、新聞や雑誌、Webサイト、公式媒体などで、インタビューや公演レポート等を執筆している。特に宝塚歌劇関係の取材は多い。 小野寺亜紀オフィシャルサイト(https://aki-octogreen.themedia.jp/)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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