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小室圭さんの400万円、文通費100万円……庶民がざわざわする金額とは?

野菜さらだ コラムニスト/言語聴覚士

 「肩透かし」──久しぶりに、その言葉が頭を過(よぎ)った。眞子さんと結婚された小室圭さんの金銭トラブルがお二人の渡米2日前に「解決した」というニュースが飛び込んだときのことだ。

 約4年前、当時の眞子さまとの婚約内定会見の数カ月後に週刊誌で報じられた、小室さんのお母さんの金銭トラブル問題。あれ以降、この問題についてどれだけ多くの人がああでもない、こうでもないと様々なメディアで、場面で(含む“井戸端”)言い合ったことだろう。

 そして、結局、問題は本質的な解決をみないまま、ある意味その問題のせいで、婚約発表時には予定されていた正式な皇室の儀式が延期となり、結局執り行われもせず、億を超えると言われていた「持参金」も受け取らず、10月26日に眞子さまは眞子さんとなられた。

 あのとき、「結局、こんな風になってしまった肝心な問題は解決しないままなのか……」。誰もがそう思ったことだろう。そのままお二人は渡米……となる、そのまさに直前の2日前の11月12日、冒頭のびっくりニュース「小室さんは(12日夜)、元婚約者と面会し、双方が解決で合意」「元婚約者が解決金を受け取るという結果になった」(「東京新聞」2021年11月18日)が駆け巡ったのだ。

ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港に到着し、関係者に付き添われてターミナル内を歩く小室圭さん(中央)と眞子さん=2021年11月14日午前9時4分、代表撮影 20211114ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港に到着した小室圭さんと眞子さん。この翌日11月15日に409万3000円が「元婚約者」の口座に入金されたという=2021年11月14日、代表撮影

 「このタイミングで、なんで?」「だったら、なぜもっと早く?」「今、返せるならなぜ結婚前に?」などなど様々な思いが多くの人の心を過ったことだろう。実際、テレビのワイドショーでも「一体、この3年間は何だったんだ」と発言しているコメンテーターがいた。借金だ、いやあれは借金ではない、いただいたものだ、とお金の解釈も様々に飛び交い、今年の春には小室さんからの長文の説明文書が公開された。

 あのレポートを読み込むのに相当な時間を費やした人も少なくないはずだ(私も途中までは読んだが挫折した)。金銭トラブルはもう行き詰まり、解決の手立てはないのか……そんな問題を抱えたまま、ご結婚されたお二人を拝見して、そんな閉塞感を感じたのも確かである。それが……である。結局、最後は「解決金」という名前がついた「409万3000円」が小室さん・眞子さんが渡米した翌日に当該の方の口座に振り込まれたということだ。

 「細かい端数の金額」にまた一瞬「?」となった人もいるのではないだろうか。最初は私も「端数は400万円の利子分?」と勘ぐったが、報道によれば、この金額は、小室家への「支援名目」で支払われた、まさにそのぴったりの数値であるという。

 「びた一文値切りも追加もせず、きっちり払われたんだ」

 「こんなにあっさり解決するんだ」

 こういう思いが、冒頭の「肩透かし」という言葉を呼び起こした。

文通に「100万円」という時代錯誤感

 小室さんの「400万円」問題が解決したというのと入れ替わるように表れ出でたのが、「文通費100万円」問題である。11月15日が第一報のようなので、本当に入れ替わりと言ってよいタイミングである。

 最初は、衆院選挙で今回初当選した、日本維新の会の新人議員が10月31日から任期が始まることで、10月分の文通費(文書通信交通滞在費)が月額の満額100万円支払われたことを問題視したことから大きく取り上げられるようになった。

 領収書なし、非課税、報告義務もない、余っても返還する義務もないと、美味しいところだらけの「100万円」が1日の任期だけで満額支払われるということを多くの国民は初めて知ったのではないだろうか。

登院する議員ら=2021年11月10日午前8時、国会202111102021年11月10日、特別国会の召集日に登院する衆院議員たち。新人議員には前月末1日分の「文通費」が支払われた

 この文通費の問題は、100万円を日割りにするように法律を改正するという案が出ているようだが、これについても「ちがうだろうー」と言いたくなる。「使ったお金だけを支払うようにするのが正しい在り方」なのである。

 この「文通費」という名称も、「文書通信交通滞在費」の省略形であることはわかっていても、「時代錯誤感」をさらに増大させている。

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