メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

無料

体験的「レコードの魅力」(上)──“暴走”買い、処分、そしてまた……

天地真理の「若葉のささやき」からヒップホップまで

印南敦史 作家、書評家

 「どうしてもアナログレコード(以下:レコード)から離れられないんですよねー」

 もうずいぶん前のことになるが、長く通い続けている中古レコード店の店主にそう告げると、彼の口から次のような答えが返ってきた。

 「そりゃあね、我々はレコードで(音楽を)聴いてきた世代ですからね」

 非常に納得させられた。たしかにそのとおりで、昭和生まれの私たちにとってレコードは、「音楽を聴くために必要なもの」だったのだ。ノスタルジー以前の問題なのである。

 しかし、そんな事情を差し置いてもレコードはさまざまな意味で魅力的だ。だから、ここにきてレコード人気が復活しているという報道にも充分納得がいく。「まー、そうでしょうね」という感じ。

 かつてはレコードを駆逐した(が、結果的には“オワコン”になった)CDにも、音楽を聴く手段としてすっかり浸透したストリーミングにもない絶対的な魅力が、間違いなくレコードにはあるからだ。

HMV record shop 渋谷拡大東京・「HMV record shop 渋谷」の店内。若者の客も多い

 そこで今回から2回に分け、私が考えるレコードの魅力を明らかにしていきたい。ただし、そのためにはまず個人的なレコード体験談を書かせていただく必要がある。つまりこの文章は、きわめて自分史的なニュアンスが強くなってしまうのではないかと思う。

 しかし、それはレコードの魅力を語るうえでは避けて通れないことでもあるので、どうかご容赦願いたい。

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

印南敦史

印南敦史(いんなみ・あつし) 作家、書評家

1962年、東京生まれ。広告代理店勤務時代に音楽ライターとなり、音楽雑誌の編集長を経て独立。「ダ・ヴィンチ」「ライフハッカー(日本版)」「東洋経済オンライン」「ニューズウィーク日本版」「サライ.JP」「WANI BOOKOUT」など、紙からウェブまで多くのメディアに寄稿。著書に『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』(日本実業出版社)、『書評の仕事』 (ワニブックスPLUS新書)など多数。新刊に『遅読家のための読書術──情報洪水でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣』(PHP文庫)、読書する家族のつくりかた──親子で本好きになる25のゲームメソッド』(星海社新書)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

印南敦史の記事

もっと見る