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武田真治が70歳の老人に!ミュージカル『オリバー!』大阪公演開幕!

取材会レポート/オーディションで掴んだ役、演じるたびに元気になる

米満ゆうこ フリーライター


 イギリスの文豪、チャールズ・ディケンズの小説『オリバー・ツイスト』を原作にしたミュージカル『オリバー!』が、12月4日(土)~14日(火)に梅田芸術劇場で上演される。『レ・ミゼラブル』『メリー・ポピンズ』などを生み出したミュージカル界を代表するプロデューサー、キャメロン・マッキントッシュが手掛けた新演出版で、オーディションで選ばれた66人の子どもたちが出演する大型作品だ。

 舞台はビクトリア朝のイギリス。救貧院で育った孤児のオリバーは、下働きに出された葬儀屋でひどい仕打ちを受け、ロンドンに逃げだす。そこでフェイギンという老人と出会い、彼が元締めの少年泥棒グループに取り込まれる。ディケンズならではの摩訶不思議で清濁併せ吞む独特のキャラクターが登場するが、武田真治が市村正親とダブルキャストで演じるフェイギンもそのひとり。武田が大阪公演の開幕前に市内で取材会を開いた。

舞台は闘う場所、リングだと思っている

武田真治=安田新之助 撮影拡大武田真治=安田新之助 撮影

――東京公演は11月に千秋楽を迎えましたが、いかがでしたか。

 産業革命の最下層にいる人々を少年オリバーの目線で描いた作品なんですが、皆、悲観することが一切ないほど力強いキャラクターばかりなんです。演じるたびに自分が元気になって、あっという間の1カ月でした。僕が演じるのは70歳の老人の役ですが、とても手ごたえを感じています。

――どのような手ごたえですか。

 ポスターやチラシの写真より、舞台ではもうちょっと薄毛でひょうきんな風貌なんですよ(笑)。悲哀だけを見せる役柄ではないし、楽曲が自分的にしっくりきているんです。子どもたちと一緒に歌ったり踊ったりするのも楽しくて。自分が楽しいと思うことと、手ごたえは違うのかも知れませんが(笑)。お客様にも楽しんでいただけているようで嬉しいです。

武田真治=安田新之助 撮影拡大武田真治=安田新之助 撮影

――今回はオーディションで役を勝ち取ったそうです。

 市村正親さんあってのこの役で、プロデューサーが『レ・ミゼラブル』『メリー・ポピンズ』『ミス・サイゴン』『オペラ座の怪人』など、ミュージカルと聞いて思い浮かべる作品のほとんどを手掛けていらっしゃる、サー・キャメロン・マッキントッシュさん。そのマッキントッシュさんが市村さんをフェイギン役でご指名してこの企画が立ち上がり、イギリス側はダブルキャストを上演の条件とされていたそうです。ミュージカルに挑戦して以来この15年間、市村さんと一緒に多くの作品に出演させて頂いたので、これは何とか自分がオーディションで勝ち抜いて、市村さんに恩返しをするべきだと。死に物狂いで取り組みましたね。

――どういうオーディションだったのですか。

 最初は自分の歌や踊りの映像を送り、それから演出家とリモートで面談。そこで「もうちょっと動いて歌ってみてほしい」などとやり取りがありました。その次は振付家、音楽監督、演出家と僕の4者で面談です。そのやりとりをマッキントッシュさんが最終的に見て合格が決まりました。4者面談が終わった後、返事が1カ月ぐらいかかる可能性があると伺っていたのですが、2日ほどですぐ合格だと返事が来て。うれしくて涙が出ましたね。

――市村さんからかけてもらった言葉で印象的だったことを教えてください。

 全然違うフェイギンになっていいんだと。尊敬する先輩が同じ役を作っていく過程を見られるなんて、この上なく贅沢で、なるべくコピーしたいと思っていたんです。でも真似しようとしてもきっと違ってくると言われました。それで気が楽になりましたね。

――武田さんは、筋肉体操や紅白歌合戦で演奏されたサックスでも注目されていますが、ご自身にとり舞台はどういう存在ですか。

 紅白歌合戦では天童よしみさん、五木ひろしさんと一緒に舞台に上がらせていただきました。望んでもできない貴重な経験なので、人生のご褒美でしたね。このフェイギンという素晴らしい役に出会えたことも人生のご褒美なんです。舞台は自分にとっての闘う場所、リングだと思っています。ここで行われることが自分の血や肉になる。

武田真治=安田新之助 撮影拡大武田真治=安田新之助 撮影

――大阪公演を楽しみにしているお客さんにメッセージをお願いします。

 『オリバー!』は救貧院のシーンから始まります。総勢66人の子どもたちのうち、12人は関西の子どもたちが新しく加わります。皆さんの遠いお知り合いが出てるかも(笑)。産業革命や貧富の格差、最下層の人たちというと重い物語に聞こえてしまうかも知れませんが、シェイクスピアが生まれた国・イギリスの作品ですから、会話がウィットに富んでいて、どんな怖い人でも楽しかったり面白かったりする。180年以上前に書かれた原作のユーモアを大阪の皆さんに堪能していただけると思っています。楽しみにしていてください。

◆公演情報◆
ミュージカル『オリバー!』
2021月12月4日(土)~12月14日(火)  梅田芸術劇場メインホール
公式ホームページ
[スタッフ]
原作:チャールズ・ディケンズ
脚本・作詞・作曲:ライオネル・バート
[出演]
市村正親/武田真治(Wキャスト)
濱田めぐみ/ソニン(Wキャスト)
spi/原慎一郎(Wキャスト)
エバンズ隼仁/越永健太郎/小林佑玖/高畑遼大(クワトロキャスト)
大矢臣/川口調/小林佑玖/高畑遼大(クワトロキャスト)
コング桑田/小浦一優(芋洗坂係長)(Wキャスト)
浦嶋りんこ/鈴木ほのか(Wキャスト)
鈴木壮麻/KENTARO(Wキャスト)
北村岳子/伊東えり(Wキャスト)
小野寺昭/目黒祐樹(Wキャスト) ほか

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筆者

米満ゆうこ

米満ゆうこ(よねみつ・ゆうこ) フリーライター

 ブロードウェイでミュージカルを見たのをきっかけに演劇に開眼。国内外の舞台を中心に、音楽、映画などの記事を執筆している。ブロードウェイの観劇歴は25年以上にわたり、〝心の師〟であるアメリカの劇作家トニー・クシュナーや、演出家マイケル・メイヤー、スーザン・ストローマンらを追っかけて現地でも取材をしている。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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