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加藤和樹インタビュー(下)、ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』

演出家から受け取った愛をお客様に届けたい

橘涼香 演劇ライター


加藤和樹インタビュー(上)

大貫勇輔にしかできないケンシロウが生まれている

──製作発表で勢揃いされた時に既にすごい迫力でしたが、共演者の皆さんと過ごしていらしていかがですか?

 今回本当にWキャストが多いので、ひとり一人がそれぞれの役の思いを背負っていると感じていますが、なんと言っても「北斗の拳」という作品で、ケンシロウを演じる大貫勇輔くんのプレッシャーには大変なものがあると思います。そのなかで、作品がミュージカルで、更にエンターティメント要素がふんだんに盛り込まれた舞台でのケンシロウは、やはり彼にしかできない。これしかありえないだろうと、誰でもがそう思うようなケンシロウが生まれていっていますね。もちろんまだまだ稽古期間がありますから、更に進化していくと思いますが、彼の持つ身体能力、心の強さ、肉体の強さ、そして優しさ。そうしたもののすべてをひっくるめた、大貫勇輔のケンシロウがいま出来上がりつつあるので、個人的な「北斗の拳」ファンとしてもとても楽しみです。

加藤和樹=中村嘉昭 撮影拡大加藤和樹=中村嘉昭 撮影

──そんな皆さんを引っ張っていかれている演出の石丸さち子こさんとは、これまでもご一緒されていますが、石丸さんの演出については?

 これまでさち子さんとたくさん稽古を重ねてきたなかでも、この稽古場で「一番熱い石丸さち子」を感じています。作品に対する愛がとても強いですし、それぞれのキャストに向かっての愛も本当に強くて。このミュージカルを成功させるんだというさち子さんの並々ならぬ思いを感じますし、さち子さんの作品への愛を我々が受け取って、その愛をお客様に届けられたらという思いでやっています。

──素敵な言葉ですね!またこの作品にはエンターティメントの様々な要素が入っているかと思いますが、演出家・石丸さち子は、そうした一つひとつに当たって、役者さん側からの発信も受けとめてくださる方ですか?

 さち子さんは皆でお芝居を作っていこうとされる方なので、まず僕らが考えたものを出してくれとおっしゃいます。それを見てくださって、そういうお芝居をしたいのであれば、じゃあこうしてみようという感じで、発展させていかれる方ですね。やはり役者の肉体を通して作品が構築されていくので、もちろん演出として動きもつけてくださいますが、役者の個性や思いをあくまでも生かした指導をしてくださるので、とてもありがたいです。

歌いたくなるメロディーだからこその難しさ

加藤和樹=中村嘉昭 撮影拡大加藤和樹=中村嘉昭 撮影

──また、製作発表での豪華な歌唱披露が大変印象的でしたが、ご自身でピアノ演奏もされたフランク・ワイルドホーンさんの楽曲についてはいかがでしょう?

 『マタ・ハリ』の時にも思ったのですが、楽曲が役者の感情を引き出してくれるものになっているんですね。特に今回「北斗の拳」のそれぞれのキャラクターに合ったナンバーを書いてくださっていて、トキの楽曲などは本当にピッタリで!歌でちゃんと語れるメロディーラインになっているので感動します。でもだからこそ逆に難しい点もあって、あまりに素晴らしいメロディーなので、どうしても歌いたくなってしまうんです。

──役が思いを語るのではなく、歌として歌いたくなるということですか?

 そうです!気持ちよく歌ってしまいたくなるのですが、ミュージカルナンバーはあくまでも芝居でなければいけないので。

加藤和樹=中村嘉昭 撮影拡大加藤和樹=中村嘉昭 撮影

──本当に壮大なメロディーが多い作曲家さんなので、皆さん楽曲もとても楽しみにされていると思いますが、演じられる側としてはだからこそのご苦労もあるのですね。

 感情がのりやすいからこそなのですが、そこが難しさでもあるので心していきたいです。

◆公演情報◆
ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』
東京:2021月12月8日(水)〜29日(水) 日生劇場
大阪:2022年1月8日(土)~9日(日)  梅田芸術劇場メインホール
名古屋:2022年1月15日(土)~16日(日)  愛知県芸術劇場 大ホール
公式ホームページ
特設サイト
[スタッフ]
原作:漫画「北斗の拳」(原作:武論尊/漫画:原 哲夫)
作曲:フランク・ワイルドホーン
演出:石丸さち子
脚本・作詞:高橋亜子
[出演]
大貫勇輔
平原綾香・May’n(Wキャスト)
加藤和樹・小野田龍之介(Wキャスト)
植原卓也・上田堪大(Wキャスト)
川口竜也、白羽ゆり、松原凜子
伊礼彼方・上原理生(交互役替わり)
福井晶一・宮尾俊太郎(Wキャスト)
ほか

〈加藤和樹プロフィル〉
2005年ミュージカル『テニスの王子様』で脚光を浴びる。翌年Mini Album「Rough Diamond」でCDデビュー。2009年には韓国、台湾、中国でCDデビューを果たし、音楽活動と並行し、舞台・ミュージカル・映像作品にも多数出演。俳優・声優としても活躍の場を広げている。近年の主な出演作品は、『マタ・ハリ』、『BARNUM』、『ローマの休日』、『フランケンシュタイン』、『ファントム』、『怪人と探偵』、『BACKBEAT』、『暗くなるまで待って』、project K『僕らの未来』など。第46回菊田一夫演劇賞 演劇賞を受賞。2022年2月~3月に『冬のライオン』への出演が決まっている。
★オフィシャルサイト
★公式twitter

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筆者

橘涼香

橘涼香(たちばな・すずか) 演劇ライター

埼玉県生まれ。音楽大学ピアノ専攻出身でピアノ講師を務めながら、幼い頃からどっぷりハマっていた演劇愛を書き綴ったレビュー投稿が採用されたのをきっかけに演劇ライターに。途中今はなきパレット文庫の新人賞に引っかかり、小説書きに方向転換するも鬱病を発症して頓挫。長いブランクを経て社会復帰できたのは一重に演劇が、ライブの素晴らしさが力をくれた故。今はそんなライブ全般の楽しさ、素晴らしさを一人でも多くの方にお伝えしたい!との想いで公演レビュー、キャストインタビュー等を執筆している。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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