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十碧れいやインタビュー(上)、『見舞う男』に出演

作・演出 中津留章仁による新作は交通事故で記憶を失った女性と加害者男性の物語

大原薫 演劇ライター


 ジェットラグプロデュース公演『見舞う男』に十碧れいやが出演する。

 作・演出はトラッシュマスターズの中津留章仁。「交通事故によって記憶を失った女性。加害者である男性は女性の病室に毎日通う。最初は受け入れ難かった女性の家族も徐々に男性へと心を開いていく。男性と女性の間には奇妙な信頼関係が生まれて……」という物語。

 十碧が演じるのは女性の姉。冨岡健翔が演じる加害者男性に対して初めは嫌悪感を抱くが、徐々に気持ちを変化させるという役どころだ。物語の謎解き役でもあると同時に、微妙な人間心理を描くというキャラクターに十碧がどう取り組むのか。前作『通りすがりのYouTuber』に続く中津留作品出演への意気込みを聞いた。また、宝塚歌劇団退団後、女優としての意欲的な歩みを振り返ってもらった。

中津留章仁の演出を受けたことは貴重な経験

十碧れいや=岩田えり 撮影拡大十碧れいや=岩田えり 撮影

――『見舞う男』ご出演が決まって、どんなお気持ちになりましたか。

 前回のジェットラグプロデュース公演『通りすがりのYouTuber』では冨岡健翔さんの姉の役だったのですが、今度はこう来たかと(笑)。交通事故被害者の姉の役ですが、冨岡さん演じる加害者男性に対して複雑な心理を抱く役なんです。でも、「姉の心情は脚本ではあからさまに書かれない。センシティブな演技が求められる役」とのことで、とても演じ甲斐がある役だなと思いました。

――作・演出の中津留章仁さんの作品に出演するのは、『通りすがりのYouTuber』に続いて2作品目ですね。

 中津留さんは一日中みっちり芝居の稽古をするのですが、時間の長さを感じないぐらい毎日が濃厚でした。中津留さんのおっしゃることに芯を突かれることが多くて、とても勉強になりましたね。今回は新たな役柄で中津留さんの指導の下、繊細な表現を頑張りたいと思います。

十碧れいや=岩田えり 撮影拡大十碧れいや=岩田えり 撮影

――中津留さんはどういう稽古をなさる方ですか?

 最初に本読み稽古をする期間が何日もあるんです。その期間で台詞を覚えられました。立ち稽古が始まってからは、大まかな立ち位置を指示されて「あとは好きなように動いて」と自由に演じさせてくださるんです。最初は自由に、あとからだんだんと細かく指示をしてくださるスタイルでした。

 中津留さんの演出には、お客様が気づかないようなところにも細かいこだわりがあるんですね。「真実と虚構」というテーマがあった『通りすがりのYouTuber』では、よく見るとテーブルが斜めになって歪んでいるんです。私たちも最初はわからなかったのですが、途中から気づいて「テーブルが斜めになっていませんか?」と中津留さんに聞きに行ったら、「虚構を象徴して、テーブルの形が歪んでいるんだ」と教えてくださいました。でも、私が演じる姉役の部屋だけは歪みがなかったんですよね。オープンにはおっしゃらないで、気づいて聞かれたら言うという中津留さんのこだわりが素敵だなと思います。

――十碧さんが中津留さんの演出を受けた経験はいかがでしたか?

 自分にとってとても貴重で大きな経験でしたね。また出演したいと思っていましたので今回出演が決まってとても嬉しかったですし、今回の『見舞う男』で何か一つ成長できたらいいなと思っています。

◆公演情報◆
ジェットラグプロデュース
『見舞う男』
2022年2月3日(木)~2月7日(月) CBGKシブゲキ!!
チケット:一般発売 2022年1月8日(土) 10:00~
公式ホームページ
[スタッフ]
作・演出:中津留章仁
[出演]
冨岡健翔(ジャニーズJr.) 、十碧れいや、平体まひろ(文学座)、星野卓誠(トラッシュマスターズ)、畑田麻衣子(文学座)、森下庸之(トラッシュマスターズ)


〈十碧れいやプロフィル〉
2007年宝塚歌劇団に入団。星組に配属。『めぐり会いは再び2nd~Star Bride~』で新人公演初主演。『アルカサル~王城~』でバウホール公演初主演。2018年、宝塚歌劇団を退団。退団後の主な舞台出演は『ル・シッド』、『知恵と希望と極悪キノコ』、『通りすがりのYouTuber』、『モンテ・クリスト伯』、『終わらない世界』、『暁の帝~朱鳥の乱編~』など。
★公式ホームページ
★公式twitter

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筆者

大原薫

大原薫(おおはら・かおる) 演劇ライター

演劇ライターとして雑誌やWEB、公演パンフレットなどで執筆する。心を震わせる作品との出会いを多くの方と共有できることが、何よりの喜び。ブロードウェー・ミュージカルに惹かれて毎年ニューヨークを訪れ、現地の熱気を日本に伝えている。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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