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十碧れいやインタビュー(下)、『見舞う男』に出演

作・演出 中津留章仁による新作は交通事故で記憶を失った女性と加害者男性の物語

大原薫 演劇ライター


十碧れいやインタビュー(上)

微妙な危うさ、あいまいさを楽しんでいただけたら

――『見舞う男』について、お客様にはどんなところを楽しみにしていただきたいですか。

 中津留さんがご自身の書かれる作品を「黒い世界」とおっしゃっていたんです。『通りすがりのYouTuber』のときもお客様が私が演じる姉と富岡さんが演じる弟との関係をいろいろ想像されていたんですが、中津留さんはお客様に自由に想像できる部分を残してくださるというか。今回も私が演じる姉役を見てお客様がどういう感想を抱いてくださるのか、楽しみですね。自分では思っていないこともお客様はこう見たんだというところが多いと思うので。微妙な危うさ、あいまいさを楽しんでいただけたらと思います。

十碧れいや=岩田えり 撮影拡大十碧れいや=岩田えり 撮影

――前作に続いてご一緒される冨岡健翔さんはどんなご印象ですか?

 冨岡さんは本当に好青年。本当にまっすぐな人なんですが、みんなの前で座長としてあいさつをするときは本当にしっかりと話されるんです。みんなが集まって「ファイト!」と声掛けするのも先陣を切ってやってくれたり。そういうまっすぐな人柄がお芝居にも出てらっしゃるなと思います。今回の『見舞う男』では謎が多いミステリアスな男性の役を演じられるので、前作とは違う新たな面が見られるのを楽しみにしています。

――十碧さんは初めての役を演じるとき、どのように向かい合いますか。

 最初に台本を読んだときのインスピレーションを大事に、感じたことを表現していきたいと思います。まずは決め込まないこと。特に中津留さんの場合は本読み稽古を何回もさせていただけるので、その間に感覚が変わってくることもありますし、相手役の方も演じ方も変化してくるので、演じながら感じたことを大切にして作っていきますね。

――やはり相手役とのやり取りが大事なのでしょうか。

 そうですね、相手の方の変化に敏感に反応していきたいです。たとえば強い女性の役だとしたら、そこはシーンに合わせた強弱を表現しつつ、その中の細かい部分は本当にそのときそのとき感じた表現で毎回違ったりします。

十碧れいや=岩田えり 撮影拡大十碧れいや=岩田えり 撮影

――十碧さんが宝塚歌劇団を退団されてからの出演作を振り返ると、芝居を大事にされているのが伝わってくる気がします。ご自身ではどうお考えでしょうか。

 私は芝居が大好きなんです。宝塚のときはダンスが好きだったんですよ。もちろん芝居も好きでしたが、男役のときは自分が女性だから、男として振る舞う、作り込んで舞台に出るというので自分でスイッチを入れて舞台に立っていたんです。宝塚を退団して初めて芝居をしたとき、男役時代よりもっと自然体でいられた。感情だけで芝居ができるので「こんなにも自由で楽しいんだ」と気づいたんですよね。宝塚の男役の芝居も楽しかったですが、当時は自分の感情が入りながらも、理想の男性像の感情を考え抜いて作っていたんです。今はもっとストンとしたところで、自分の感情に問いかけてそれを表に出して演じているんですね。宝塚を退団してから舞台に立ち始めて2年ですが、毎回新鮮です。

◆公演情報◆
ジェットラグプロデュース
『見舞う男』
2022年2月3日(木)~2月7日(月) CBGKシブゲキ!!
チケット:一般発売 2022年1月8日(土) 10:00~
公式ホームページ
[スタッフ]
作・演出:中津留章仁
[出演]
冨岡健翔(ジャニーズJr.) 、十碧れいや、平体まひろ(文学座)、星野卓誠(トラッシュマスターズ)、畑田麻衣子(文学座)、森下庸之(トラッシュマスターズ)


〈十碧れいやプロフィル〉
2007年宝塚歌劇団に入団。星組に配属。『めぐり会いは再び2nd~Star Bride~』で新人公演初主演。『アルカサル~王城~』でバウホール公演初主演。2018年、宝塚歌劇団を退団。退団後の主な舞台出演は『ル・シッド』、『知恵と希望と極悪キノコ』、『通りすがりのYouTuber』、『モンテ・クリスト伯』、『終わらない世界』、『暁の帝~朱鳥の乱編~』など。
★公式ホームページ
★公式twitter

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筆者

大原薫

大原薫(おおはら・かおる) 演劇ライター

演劇ライターとして雑誌やWEB、公演パンフレットなどで執筆する。心を震わせる作品との出会いを多くの方と共有できることが、何よりの喜び。ブロードウェー・ミュージカルに惹かれて毎年ニューヨークを訪れ、現地の熱気を日本に伝えている。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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