「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」の世界観に魅了されて
議員さん方もギャラ半額を申し出た米倉涼子に倣っては?
野菜さらだ コラムニスト/言語聴覚士
視聴率も「私、失敗しないので」

シリーズを通して高視聴率をキープしてきた「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」=提供・大分朝日放送
ドラマ部門の年間視聴率を見てみると(「ドラマ視聴率ランキング/年代流行」)、「ドクターX」は1位がこれまでに4回、2位が2回、そのうちの1回はお化け番組(?)と言われる「半沢直樹」(TBS系)に1位の座を奪われているが、視聴率自体すべて20%を超える高視聴率番組である。これだけの視聴率を取れるとあれば、テレビ局も制作スタッフも「もう1シリーズ……」と言いたくなるのも無理はない。

【ドラマ年間視聴率ランキング】 *筆者作成 *データの出典:「ドラマ視聴率ランキング/年代流行」https://nendai-ryuukou.com/drama.html
一度イメージを変えようとしたのか、2018年に米倉涼子が「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」(ドクターXをもじったのか)と衣替えして登場したときには、4位になってしまった。年間“4位”は、それはそれで素晴らしいのだろうが、ドクターXとの比較では「失敗……」と見えてしまう順位だろう。そして、翌年にドクターXで再び1位に見事返り咲いた。今放映中のシリーズ7は、1年休んでの再開となっている。こうやって改めて視聴率ランキングの表を眺めてみると、2020年のお休みは、もしかすると「半沢直樹を避けたのかも?」と見えなくはない。
シーズン2、3を見ていた頃から、大門未知子を演じる米倉涼子さんの素晴らしい演技もさることながら、強敵(?)である「半沢直樹」との共通点、つまり「一般人が本当は喉のところまで出かかって、でも社会的な制約で言えないセリフ」をスパッと言ってのける、その部分に多くの人が「よくぞ言ってくれたー」と共感するのではないかと思えてきた。
半沢直樹の決め台詞「やられたら、やり返す。倍返しだ!」。
これも、とても普段は言えない言葉だ。
人は、自分が飲み込んだ言葉を思いっきり吐き出す主人公に自らを重ねていく。