丹治吉順(たんじよしのぶ) 朝日新聞記者
1987年入社。東京・西部本社学芸部、アエラ編集部、ASAHIパソコン編集部、be編集部などを経て、現在、オピニオン編集部・論座編集部。機能不全家庭(児童虐待)、ITを主に取材。「文化・暮らし・若者」と「技術」の関係に関心を持つ。現在追跡中の主な技術ジャンルは、AI、VR/AR、5Gなど。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
「愛してくれなきゃ仏罰下るわよ」
初音ミク、「奇跡」を生むネットワークの要〜奇跡の3カ月(16)から続く
「護法少女ソワカちゃん」と聞いて、内容がピンとこない人は、とりあえず下に埋め込んだ動画を視聴してほしい。
魔法少女ものの設定ながら、背景は仏教という斬新さ。ヘタウマ風の味のある画風とアニメーション。それ以上に、次から次へと繰り出されるナンセンスギャグやパロディ。こうした作風を好む人は一発でとりこになるだろう。
そもそも下記の画像のようなセリフをどうやったら思いつくのか。コンピューターゲームでいうなら、体力へのダメージはそれほどでもないが、精神力はごっそり削られる、そういう類だ。
この第1作の投稿が2007年10月8日。そのわずか1週間後の10月15日に、第2作が投稿される。セックスピストルズの楽曲を意識していた第1作とはがらりと異なり、何と言っていいか判然としないサイケデリックな楽想だが、画風とギャグのセンスは健在だ。
さらに10日後の10月25日、第3作が投稿される。イントロからしてウェスタンのようで、音楽の方向性はまたも変わっている。
わずか2日後の10月27日に投稿されたシリーズ第4作。今度は演歌だ。もはや何でもありに近い。
この「護法少女ソワカちゃん」シリーズは、この後も矢継ぎ早に投稿され、2007年末までに実に11作が公開される。驚くべきペースといっていい。
荒唐無稽と済ませられればまだいいのだが、困ったことにというか、ストーリーがダイナミックで面白いうえに、各楽曲の水準も高く、ギャグやパロディの切れが抜群にいい。何より、主人公のソワカちゃんをはじめとする登場人物たちのキャラがやたらと立っている。
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