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『銀河鉄道999 THE MUSICAL』で星野鉄郎を演じる!中川晃教インタビュー(上)

とても遠い未来の物語のようでいて、いまの時代の物語でもある

橘涼香 演劇ライター


 松本零士の不朽の名作として愛され続ける「銀河鉄道999」が本格ミュージカルとして生れ出る『銀河鉄道999 THE MUSICAL』が、2022年4月8日~18日東京・日本青年館ホールで上演される。

 「銀河鉄道999」は、人類が肉体を機械に替えることで永遠の命を手に入れているものの、貧しき者たちは高価な機械の身体を買えずに虐げられている未来社会を舞台に、母を機械伯爵に殺された少年・星野鉄郎が、謎の美女メーテルと共に、機械の身体を無料でくれるという星を目指して銀河鉄道999に乗り込み、限りある命の尊さを学んでいく物語だ。2018年に銀河鉄道999 40周年記念作品 舞台『銀河鉄道999』~GALAXY OPERA~、2019年に銀河鉄道999 劇場版公開40周年記念作品 舞台『銀河鉄道999』さよならメーテル~僕の永遠として舞台化されているが、2022年、いよいよ本格ミュージカル作品として上演されることになった。

 そんな『銀河鉄道999』舞台化プロジェクトで主人公星野鉄郎を演じ続けている中川晃教が、三度目となる「999号」の旅に向けた思いの丈を語ってくれた。

台本からミュージカルとしての流れが浮かび上がってくる

中川晃教=岩田えり 撮影〈ヘアメイク :松本ミキ/スタイリスト:KAZU(Ten10)〉拡大中川晃教=岩田えり 撮影〈ヘアメイク :松本ミキ/スタイリスト:KAZU(Ten10)〉

──新たな『銀河鉄道999』が出発するということで、いまのお気持ちから教えてください。

 僕にとって3回目となる『銀河鉄道999』をやらせていただけるというのは、やはり特別な経験になると、いまの時点でも既に実感があります。1回目に初演として立ち上げて、2回目は再演というよりも、内容がまた変わっていって。そして今回の3回目もさらに本格ミュージカルとして進化し続けていく。「999」=スリーナイン、1000の一歩手前で“永遠に終わらない”という、松本零士先生がタイトルに込められたメッセージの通りに舞台化も進んでいるんだなと感じます。少年から青年へ、青年から大人へと時を経ても永遠に終わらない旅、永遠の青春という感覚さえあります。そういう思いを3回目の公演を控えていても持っていられるというのは、ある意味僕自身にも、3回目の旅だからこその余裕がどこかにあるのかなとも感じます。もちろん作品の持っている大きな力があってこそのことなので、また999号に乗りこめることが嬉しいです。

──基本としての原作世界の設定が揺るがないなかで、こんなに色々な描き方があるんだと感じますが、今回新たに高橋亜子さんが書き下ろされた脚本についてはいかがですか?

 最初に台本を読ませていただいた時から、丁寧に原作と映画を軸にしてミュージカルの形で表現されているなと思いました。台詞から音楽へ、また音楽から台詞へという切り替わり、ミュージカルとしての流れが、台本だけを読んでいる段階では音がないにもかかわらず、字面のなかから浮かび上がってきて。一気にラストシーンまで読むことができたので、「音楽劇」だった1回目・2回目とはまた違って、今回「ミュージカル」と定義したならではの、音楽と物語の深いかかわりを亜子さんの台本から感じました。

──その台本を小山ゆうなさんが演出されることにも、大きな期待が集まっていますが。

 小山ゆうなさんとは、ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』でご一緒する予定で、稽古も劇場入りしてのいよいよ舞台稽古という段階で、緊急事態宣言になり公演が中止という形になってしまって、劇場で共に作品を作るところまでは至らなかったのですが。

中川晃教=岩田えり 撮影〈ヘアメイク :松本ミキ/スタイリスト:KAZU(Ten10)〉拡大中川晃教=岩田えり 撮影〈ヘアメイク :松本ミキ/スタイリスト:KAZU(Ten10)〉

──本当に残念でしたね。あと一歩というところでしたから。

 もちろん『チェーザレ…』についても、いまも作品を温めていて、お客様にお届けする日に向けて準備を進めているんです。だから小山さんとは同志と言える関係で、そういう時期に、1回目・2回目を経た『銀河鉄道999 THE MUSICAL』を上演するというお話をいただいて、真っ先に頭に思い描いたのが小山さんでした。幸いプロデューサーの皆さんも演出をどなたに?という部分で、一致した意見を持たれていて。『銀河鉄道999』をミュージカルにするに当たっては、物語を丁寧に紡いでいくことももちろん必要だと思うのですが、長大な物語だけに、どの部分を切り取っていくか?というところも、皆さんがすごく期待されていることだと思います。そこに亜子さんの台本、小山さんの演出で注力していけるなと。

 とても有名な作品だけに、星野鉄郎もメーテルも、999号の姿や車掌さん、物語の流れからラストシーンまで、皆さんがよくご存知で、すぐに想像できるものがあるじゃないですか。ですからどうしてもそこに引っ張られてしまいがちなのですが、そもそもミュージカルとして『999』を描くこと自体が新しい視点なんだと思うんです。そこに更に芝居の説得力、作品が持っている「永遠の命」であるとか、「生きることって何なのだろう」「夢を持つことはどういう未来を生み出す力になるのか」というテーマが、とても遠い未来の物語のようでいて、いまの私たちの時代の物語であるというところを、小山さんはちゃんと考えて表現できる方なんじゃないだろうか、という思いがプロデューサーの方々皆さんにあって。僕自身も、お客様に観ていただく作品としては、小山さんとこの『999』が初めてということになるので、小山さんの演出の全てを知っているという訳では当然ないと思いますが、やっぱり特別な経験を一緒にしてきたので、この人とだったら星野鉄郎を表現できるかなと思いました。

◆公演情報◆
『銀河鉄道999 THE MUSICAL』
東京:2022年4月8日(金)〜18日(月) 日本青年館ホール
☆チケット販売スケジュール
主催者先行:2021年12月22日(水)23:59まで受付
各種プレイガイド先行:2021年12月25日(土)より順次
一般発売:2022年1月29日(土)10:00
公式ホームページ
公式Twitter
[スタッフ]
原作:松本零士
脚本・作詞:高橋亜子
演出:小山ゆうな
音楽監督:ミッキー吉野(ゴダイゴ)
[出演]
中川晃教(星野鉄郎)
神田沙也加(メーテル)
佐藤流司(機械伯爵)
梅田彩佳(クレア)
徳永ゆうき(車掌)
藤岡正明(大山トチロー)
矢沢洋子(リューズ)
松本梨香(プロメシューム)
北翔海莉(クイーン・エメラルダス)
三浦涼介(キャプテン・ハーロック)
ほか

〈中川晃教プロフィル〉
2001年、自身が作詞作曲した「I Will Get Your Kiss」でデビュー。同曲にて第34回日本有線大賞新人賞を受賞。2002年ミュージカル『モーツァルト!』でタイトルロールを演じ、第57 回文化庁芸術祭賞演技部門新人賞、第10 回読売演劇大賞優秀男優賞、杉村春子賞を受賞。以後、音楽活動と並行し数々のミュージカルに出演。2016年にはミュージカル『ジャージー・ボーイズ』にて天使の歌声と称されるフランキー・ヴァリ役を演じ、第24 回読売演劇大賞、最優秀男優賞を受賞。2022年6月に『CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~』、2022年秋に『ジャージー・ボーイズ』へ主演することが決まっている。
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筆者

橘涼香

橘涼香(たちばな・すずか) 演劇ライター

埼玉県生まれ。音楽大学ピアノ専攻出身でピアノ講師を務めながら、幼い頃からどっぷりハマっていた演劇愛を書き綴ったレビュー投稿が採用されたのをきっかけに演劇ライターに。途中今はなきパレット文庫の新人賞に引っかかり、小説書きに方向転換するも鬱病を発症して頓挫。長いブランクを経て社会復帰できたのは一重に演劇が、ライブの素晴らしさが力をくれた故。今はそんなライブ全般の楽しさ、素晴らしさを一人でも多くの方にお伝えしたい!との想いで公演レビュー、キャストインタビュー等を執筆している。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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