メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

旅の風に吹かれ、浪花節の原点を思う

女人高野、修験道の霊地、瀬戸内の島、有明の海

玉川奈々福 浪曲師

「修験」に反応、室生寺と赤目四十八瀧へ

 やっと旅が戻ってきました。

 ああ、深呼吸ができる……いやいや、東京の仕事も楽しいんです。でも、旅は格別なんです。

 10月は奈良、神戸、山口、新潟。11月は、熊本、高崎、尾道、福岡、久留米、佐賀、長崎、そして鹿児島。今月は静岡へ、あと上越に行きます。

 旅の風に吹かれるって……私にとってはとても大事です。

 旅ができることが嬉しくて、調子にのって、当日乗り込みでもいいのに、前日に入って遊んでしまったりもしました。

 奈良では、山伏でもある説経祭文の渡部八太夫さんと作家の姜信子さんにご案内いただいて、女人高野と言われる室生寺と、赤目四十八瀧へ赴きました。

 いずれも修験道と大変ゆかりのふかいところです。

 また山伏話? いやあすみませんね。やはり、浪花節のルーツに山伏祭文があるということが深く胸にあり、「修験」と聞くと、なんか反応してしまうんです。

 室生寺は開基が修験道の祖・役行者、山岳修行の霊地です。

 本堂をお参りしたあと山伏が「奥の院、行っておいで」というので、向かいました。そりゃあ、来たんだから奥の院まで行かなくちゃね、でもなんで山伏は一緒に来ないんだろうと思ったんですが……行ってみてわかった。奥の院は、果てしない……本当に果てしない階段の先にありました。赤目四十八瀧で体力使うだろうから、室生寺では温存と思ってたのに、この奥の院往復で、膝ががくがく笑いました。

拡大室生寺の頂上が見えない奥の院への石段=奈良県宇陀市
拡大「なぜ私はここにいるのか」、無表情で石段を降りる沢村まみ

 私には室生寺に来る動機があるからいいけれど、いい迷惑だったのは、一緒に来た新人曲師の沢村まみ。インドア派の三味線弾きにとっては、意味不明。なぜ自分はこんな階段を上り下りしているのだろうと顔に疑問符を浮かべながら……なのに、私より身軽にひょいひょい階段を上り下りして、最後にはお守りも買ってご満悦でした。

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

玉川奈々福

玉川奈々福(たまがわ・ななふく) 浪曲師

横浜市生まれ。出版社の編集者だった94年、たまたま新聞で浪曲教室のお知らせを見て、三味線を習い始め、翌年、玉川福太郎に入門。01年に曲師から浪曲師に転じ、06年、玉川奈々福の名披露目をする。04年に師匠である福太郎の「徹底天保水滸伝」連続公演をプロデュースして大成功させて以来、数々の公演を企画し、浪曲の魅力を広めてきた。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

玉川奈々福の記事

もっと見る