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「マツケンサンバⅡ」が愛されるのには、ワケがある

観劇のよき思い出を持ち帰ってもらうための心意気で出来た曲

ペリー荻野 時代劇研究家

公演のフィナーレでびっくり仰天、観客も呆然……

「マツケンサンバ」によって松平健さんは“国民的歌手”になった拡大「マツケンサンバ」のシリーズによって松平健さんは“国民的歌手”に

 なぜ、この楽曲がこれほど愛されるのか。それにははっきりした理由がある。

 この楽曲が、「とにかく観客を楽しませるために作られた」からである。

真島茂樹さん拡大「マツケンサンバⅡ」の振り付けをした真島茂樹さん
 聴く人を楽しませるのは当たり前だと思われるかもしれないが、「マツケンサンバⅡ」は、もう一歩、踏み込んだ現場で制作されている。もともと松平健の舞台公演のフィナーレのために作られているのである。

 「サンバⅡ」の前には、「松健音頭」「マツケンマンボ」もあり、観客がどんな曲を求めているか、研究を重ねてきた。振付を担当した真島茂樹は、「誰もが笑顔になれる作品に」とアイデアを出し、腰元ダンサーズも指導。目の前のお客さんに楽しんでもらい、観劇のよき思い出として持ち帰ってもらうため、とことん派手に盛り上げる。その心意気で出来上がった曲なのだ。

 私がこの楽曲と出会ったのは、1995年の公演。第一部では時代劇「暴れん坊将軍」の芝居があり、第二部がショーという構成で、商業演劇では定番のスタイルである。しかし、そのラストで歌われた「サンバⅡ」を見てびっくり仰天。驚いたのは私だけではなく、この曲で締めくくられて緞帳が下りるのを見届けても、呆然としている観客が多かった。

 これは書かねばならぬと、私はその夜のうちに

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筆者

ペリー荻野

ペリー荻野(ぺりー・おぎの) 時代劇研究家

1962年、愛知県生まれ。大学在学中よりラジオパーソナリティを務め、コラムを書き始める。時代劇主題歌オムニバスCD「ちょんまげ天国」のプロデュースや、「チョンマゲ愛好女子部」を立ち上げるなど時代劇関連の企画も手がける。著書に『テレビの荒野を歩いた人たち』『バトル式歴史偉人伝』(ともに新潮社)など多数。『時代劇を見れば、日本史はかなり理解できる(仮)』(共著、徳間書店)が刊行予定

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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