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東山光明×大沢健×池田有希子インタビュー(下)、Dramatico-musical『BLUE RAIN』

こんなタイプの演劇は観たことがないぞと思ってもらえる

橘涼香 演劇ライター


東山光明×大沢健×池田有希子インタビュー(上)

歌も台詞も心から生まれていないといけない

──役柄の深い心理が、ミュージカルとして描かれることについてはどうですか?

大沢:僕はこれまでスレートプレイを中心にやっていて、まずミュージカル作品の経験が圧倒的に少ないので、この年齢で新しいことに挑戦させていただけるのがありがたいですし、毎日目からウロコなことが次々とあって、それはすごく新鮮ですね。普通の演劇ならこれを説明するのに10分ぐらい必要なことを、1曲で全部完結して伝えられるのは、ミュージカルならではと思うので、そこにそれだけの思いを込めるわけですから、非常に大変な作業にはなってくるんです。これを皆さんこなしていらしたのかと思うと、すごいなと感じています。

東山:やはりまず曲ありきというのが普通の演劇とはまた違うところで、大沢さんが言ってくださった通り、役の感情やその場の状況を、曲が鳴るだけで自分の中に落とし込める、作品の世界観に連れていってくれるのがミュージカルの魅力なのかなと思います。自分自身もそこに身を任せてやれるのが楽しいですね。

池田:私はストレートプレイと言われている台詞劇もやるので、その違いがわからなくなってきました(笑)。

左から、池田有希子、大沢健、東山光明=中村嘉昭 撮影拡大左から、池田有希子、大沢健、東山光明=中村嘉昭 撮影

──双方に違いを感じない?

池田:もちろんひと口に歌と言っても色々なスタイルや演出がありますが、歌に至るまでの感情の濃くなる過程、昂まりがあって、そこから曲として発露してゆくことがミュージカル表現なのだとすると、お客様には歌として聞こえていても、それは心から生まれている台詞でもあるわけですよね。その濃度のピークに音符がついているかいないかの違いしかない。実際、古典劇やシェークスピアの台詞などは音符のついていない「調べ」として書かれているところもある。まあ、だからこそミュージカルは、敢えて付けている音符を大事にしなくてはいけないのですが!(笑)

三人それぞれのすごさ

──そんな作品に取り組まれているお三方にお集りいただけたので、是非お互いに感じる魅力を教えていただきたいのですが。

東山:大沢さん声がすごくいいですよね。

池田:うん、めっちゃ良い!

東山:ひと言話される時にも温かさがあって、それをどう役に落とし込んでくださるのかな、がとても楽しみです。

池田:テオ役にぴったりだと思う。あぁ、この人こういう境遇なんだな、という役の背景を稽古初日から持ち込んでくれていたからすごいなって。私、健ちゃん(大沢)の芝居に対しては昔から大信頼しているの!本当にすごいんですよ、この人!

大沢:一緒にやってから20年ぐらい経たない?

池田:そう、20年くらい前に初共演してから今回久しぶりの再会!

東山:そうなんだ!

左から、池田有希子、大沢健、東山光明=中村嘉昭 撮影拡大左から、池田有希子、大沢健、東山光明=中村嘉昭 撮影

池田:でもSNSで繋がっていたから、健ちゃんの活動は追えていて。コロナ禍で舞台作品やワークショップのネット配信が増えたじゃない?その中で藤浪小道具さんという、新派や歌舞伎の小道具を作っていらっしゃる会社の配信ワークショップで健ちゃんMCをやったでしょう?

大沢:そう。それを見てくれたんだよね?

池田:すごく興味があったから見ていたんだけど、健ちゃんが食べ物の小道具の解説で「僕、このうま煮を舞台で食べる芝居をしました」って作り物のうま煮を手にして。『ふるあめりかに袖はぬらさじ』で実際に使ったものだったのよね?

大沢:そうそう。

池田:その所作をちょっとやってみせただけなのに、嫌になっちゃうぐらい上手いの!

大沢:作りものだから形ができているんですよ。でもそれをいかにも食べたというようにやらないといけないからね。

池田:もう惚れ惚れしちゃった!端末の前で「すごい!すごいよ!」ってもうびっくりして、大感動したの。たった3秒ぐらいの話なんだけど、やっぱり健ちゃんはすごい!って再認識して。

◆公演情報◆
Dramatico-musical『BLUE RAIN』。
2022年1月13日(木)~26日(水) 博品館劇場
公式ホームページ
公式Twitter
[スタッフ]
脚本・演出:荻田浩一
音楽監督:河谷萌奈美
振付:港ゆりか
ORIGINAL PRODUCTION BY C101
BOOK BY JUNG HWA CHOO
MUSIC BY SOO HYUN HUH
[出演]
東山光明・彩乃かなみ・石井雅登・染谷洸太・伊藤広祥
大沢健/池田有希子/今 拓哉
【演奏】河谷萌奈美/門馬由哉・小金坂栄造

〈東山光明プロフィル〉
「Honey L Days」としてドラマや映画の主題歌・挿入歌でボーカルデュオとして確固たる地位を築いている。本名の「東山光明」名義でドラマ・映画・演劇・ミュージカルのフィールドで活動をしている。主な舞台出演作品は、『Beautiful』、『GEM CLUB 2』、『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』など。
★公式ホームページ
★公式twitter


〈大沢健プロフィル〉
1985年に俳優デビュー以降、映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍中。最近の主な舞台出演作品は、『ふたり阿国』、『ふるあめりかに袖はぬらさじ』、『神舞の庭』、『Same Time,Next Year』、Musical『HOPE』など。
★公式ホームページ


〈池田有希子プロフィル〉
1990年俳優デビュー。舞台、ミュージカルを中心に活躍中。最近の主な舞台出演作品は、good morning N°5『どうしようもなくて、衝動』、『アンクル・トム』、『イノサン musical』、『BLUE RAIN』、カムカムミニキーナ旗揚げ三十周年記念公演『燦燦七銃士―幕末エクスプレス1867-』、『東京ゴッドファーザーズ』、『SMOKE』など。
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筆者

橘涼香

橘涼香(たちばな・すずか) 演劇ライター

埼玉県生まれ。音楽大学ピアノ専攻出身でピアノ講師を務めながら、幼い頃からどっぷりハマっていた演劇愛を書き綴ったレビュー投稿が採用されたのをきっかけに演劇ライターに。途中今はなきパレット文庫の新人賞に引っかかり、小説書きに方向転換するも鬱病を発症して頓挫。長いブランクを経て社会復帰できたのは一重に演劇が、ライブの素晴らしさが力をくれた故。今はそんなライブ全般の楽しさ、素晴らしさを一人でも多くの方にお伝えしたい!との想いで公演レビュー、キャストインタビュー等を執筆している。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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