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コメント欄で誹謗中傷を書き込む人と相性抜群、ネットメディアの構造的矛盾

勝部元気 コラムニスト・社会起業家

コメント欄は本来コンテンツの質を高めるものだった

/Shutterstock.com拡大REDPIXEL.PL/Shutterstock.com

 コメント欄の誹謗中傷等を予防するためには、当然ながらこの欄自体を閉じてしまうのが最も簡単で、効果的な方法です。実際、Yahoo!ニュースでは、誹謗中傷等が非常に多かった眞子さんと小室圭さんの結婚に関する記事では、コメント欄を非表示にするという措置をとりました。

 その一方で、コメント欄を設けるメリットも存在します。たとえば、記事への補足説明、筆者が示した仮説を裏付ける実例の紹介、異なる視点による考察、稚拙な論理展開に対する指摘等、読者による有益なコメントの提供はコンテンツとしての魅力を高めます。それによりPV数に良い影響を与える面もあるでしょう。

 また、筆者にもメリットがあります。たとえば私自身も、コメント欄の指摘を受けて、「確かにその論点も書いておけばより洗練されたものになったのに!」と気づかされたり、「このような的確な反論に対応できるよう、もっとしっかり論証すべきだった……」と詰めの甘さを後悔したりしたことが、これまでいくつかありました。

 つまり、筆者も、そのような有意義なコメントをたくさんもらうことができれば、書き手としてレベルアップすることができるのです。

荒らされるとコメント欄の存在価値は無くなる

 ところが、記事がSNSや転載先のキュレーションメディア等でヒットし、日頃から誹謗中傷等を繰り返している人々の目に留まるようになると、そうした類のコメントの比率が次第に高まっていきます。

 そうすると、埋没してしまった有益なコメントを探し出す作業の「コストパフォーマンス」が悪くなり、コンテンツの質を高めるというコメント欄のメリットが完全に消え失せてしまいます。

 確かに、「論座」のコメント欄などは、Yahoo!ニュースよりも誹謗中傷等の割合が低い印象があります。ですが、ネット上で誹謗中傷等を行う人々は膨大な数に及ぶため、記事が大きく拡散されるとこの手の人たちのコメントが殺到し、Yahoo!ニュースなどとほとんど変わらない状態になります。

 たとえば、私が前回書いた記事『前澤友作さんの宇宙観光は「飛び恥」の極み』には、「金持ちへの妬みだ!」といった、私の「心情」を決めつける投稿が多々書き込まれました。これはまさにそのパターンだったと言えるでしょう。

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筆者

勝部元気

勝部元気(かつべ・げんき) コラムニスト・社会起業家

1983年、東京都生まれ。民間企業の経営企画部門や経理財務部門等で部門トップを歴任した後に現職。現代の新しい社会問題を「言語化」することを得意とし、ジェンダー、働き方、少子非婚化、教育、ネット心理等の分野を主に扱う。著書に『恋愛氷河期』(扶桑社)。株式会社リプロエージェント代表取締役、市民団体パリテコミュニティーズ代表理事。所有する資格数は71個。公式サイトはこちら

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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